前回では、「大麻の室内栽培における必要物」などについて解説しました。
前回記事:大麻を室内栽培するには? 初心者向けに基本的な流れを解説
本記事ではいよいよ、大麻の室内栽培をスタートさせます。
植物全般に言えることでもありますが、大麻を室内栽培するには、いろいろと配慮が必要です。
特に大麻はデリケートな部分もあるので、ある程度慎重な扱いが必要になるでしょう。
本記事を参考としつつ、大麻の室内栽培に取り組んでください。
ただし、前回も簡単に触れていますが、日本では大麻を栽培することはできません。
できれば法律にしたがって、CBDを利用するのがおすすめです。
その点を踏まえたうえで、参考にしてください。
大麻を室内栽培する環境
(引用:GIGAZINE)
大麻を室内栽培するにあたっては、環境選びがたいへん重要です。
大麻はやや繊細な植物なので、環境が適切でなければ「枯れ」や「根腐れ」を起こして今います。
以下のような環境を用意するようにしましょう。
場所
基本的に風通しがよい場所をおすすめします。
なぜなら換気する際、その効果が十分に受けられるからです。
窓や部屋の出入り口に近い場所などがおすすめ。
また、水場に近い場所であれば、世話もしやすくなります。
温度
成長度合いによって、温度調整が必要となるケースも出てきます。
とはいえ、グロウボックスがあれば、多少温度調整を誤ったところで大きな問題はありません。
しかし成長段階ごとで適性な温度を保つには、エアコンが必須となるでしょう。
もしエアコンがないのであれば、他の方法で温度をコントロールする必要があります。
その場合は、せめて20度から30度の温度を維持したいところです。
温度調整が難しいのであれば、「26度前後」を維持するのがベター。
もっとも大麻が成長しやすく、そしてトラブルを起こしづらい温度です。
ただしさすがに26度前後の設定ではいけない場面もあります。
その場面においては、何らかの方法で温度調整するようにしましょう。
風通しをよくするとか、ストーブを設置するということでも、温度調整はできなくもありません。
実際に栽培する流れ
環境が整ったら、いよいよ大麻の栽培を始めます。
大麻栽培は、大きく分けて
- 発芽期
- 初苗期
- 成長期
- 開花期
- 収穫期
の5段階に分けられます。
一つひとつ詳しく解説するので、参考にしてください。
発芽期(初日〜1週間)
- 適性室温:25度〜30度
- 適性
- 湿度:60%〜70%
- LED照射:18時間照射+6時間消灯
- 肥料:Eh0.6〜0.8
まずは大麻の種子を発芽させましょう。
上記の条件下において種子を地中に埋めておきます。
種子の段階では、水分を効率よく吸収できません。
したがって水やりで、水分をじゅうぶんに与える必要があります。
1日1,2回程度、水やりをしてウェットな状態にしておきましょう。
おおむね1週間ほどで、大麻は発芽します。
1週間経っても発芽しないのであれば、残念ながら生育の見込みはありません。
時間を無駄にしないよう、諦めて破棄しましょう。
発芽期は、ある程度温暖な環境でなければいけません。
室温が急激に下がらないように注意しましょう。
なお、地中に埋めるのではなく、ガーゼで包んで発芽させるという方法もあります。
湿らせたガーゼに種子を包み、それをジップロックで保管。
同じように1週間程度で発芽します。
初苗期
- 適性室温:25度〜27度
- 適性湿度:50%〜70%
- LED照射:18時間照射+6時間消灯
- 肥料濃度:Eh0.7〜1.0
種子から発芽してからの2,3週間は、「初苗期」と言います。
初苗期は、大麻栽培の全体をとおして、もっともデリケートな時期です。
せっかく発芽した苗をダメにしないよう、慎重な取り扱いが求められます。
初苗期は、さほど水分を必要としません。
湿度も、50%確保できていればおおむね問題はありません。
また、意外にも肥料を必要としない時期でもあります。
上述のとおり、肥料濃度は、多くてもEh1.0でとどめておきましょう。
というように初苗期は、「あまり余計なことをしないほうがよい」期間です。
成長を焦って、余計な手は加えないようにしましょう。
水や肥料が豊富だからといって、成長は加速しません。
むしろ枯れや折れを助長してしまいます。
順調に育っていれば、双子葉から三つ葉へと姿を変えます。
そして大麻特有の、ギザギザとした葉っぱのエッジも形成されてくるはずです。
しばらくすると、大麻の「雌雄」が判別できるようになります。
そして雄株だとわかったものは、すぐに除去しなければいけません。
なぜなら雄株は、雌株に受粉させ、「種だらけの大麻草」に変えてしまうからです。
魚に例えれば「子持ちになってしまう」ということ。
種が大量に含まれている大麻草は、大麻には加工できません。
雄株は、茎の節目節目で「小さな種」を成します。
(引用:Cannabis DNA labs)
人間で言えば、これが「睾丸」です。
これが確認された雄株は、かならず取り除きましょう。
ちなみに雄株自体は、大麻の原材料にはなりません。
成長期(3週間~8週間)
- 適性室温:20度〜28度
- 適性室温:40%〜70%
- LED照射:18時間照射+6時間消灯
- 肥料濃度:Eh0.6〜1.0
3週間目からは「成長期」、いよいよ大麻草らしい形を成す頃です。
水と肥料を吸収し、とにかく背丈が伸びていきます。
成長度合いに合わせて、少しずつ水の量を増やしていきましょう。
成長期にじゅうぶんな水を与えれば、より力強く、より大きな葉が生えてきます。
水やりのタイミングは諸説ありますが、ひとまず「土が乾いたら水やりする」と考えておけば問題はありません。
肥料濃度も、少しずつ高めていきます。
成長期に入った大麻は、ある程度植物として強くなっています。
初苗期ほどナーバスになる必要はありません。
開花期(9週間〜11週間)
- 適性室温:20度〜25度
- 適性湿度:40%〜60%
- LED照射:12時間照射+12時間消灯
- 肥料濃度:eH0.8〜1.0
早ければ9週間目には、開花期へと移行します。
最上部で、複雑に重なり合う花を付けてくれるはずです。
開花期では、LED照射時間に大きな変化があります。
12時間照射に切り替えましょう。
大麻草を「秋」だと錯覚させて、開花させるためです。
そして肥料濃度も高める必要があります。
花を開くタイミングは、もっとも多くの肥料が必要になります。
収穫期(11週間〜13週間)
- 適切室温:20度〜25度
- 適性湿度:40%〜60%
- LED照射:12時間照射+12時間消灯
- 肥料濃度:eH0.6〜0.8
いよいよ収穫のタイミングを迎えます。
収穫期の合図は、「花が成熟を通り越し、小さな白い突起が現れたころ」です。
(引用:Cannnabis Japan)
この小さな突起は、「トライコーム」と呼ばれます。
トライコームは、簡単に言えばTHCをはじめとした「カンナビノイド」を発生させるものです。
つまりトライコームが大量に出てきたタイミングで収穫するのがベスト。
よりパワフルな効果を持つ大麻が収穫できます。
大麻として加工する
- 適切室温:15度〜20度
- 適性湿度:40%〜50%
- LED照射:なし
- 肥料濃度:なし
大麻草が収穫できたら、いよいよ大麻として加工していきます。
まずは花と茎ごと切断して、ほどよいサイズ感に整えます。
乾燥大麻の場合、その茎を吊るして乾燥させましょう。
また、風通しをよくすることも重要です。
エアコンや扇風機を使って、空気は常に循環させましょう。
大麻草を乾燥させるので、もちろん湿度は低めです。
必要以上の湿気に当てられないように注意しましょう。
室温については、「26度前後」ではいけません。
15度から20度出ないと、大麻草が疲弊し、品質も落ちてしまいます。
乾燥する期間としては、およそ10日程度。
細い枝が「ポキリ」という音を立てて折れるようになら、「大麻」の完成です。
これを細かく破砕して紙に巻けば、喫煙することも可能です。
キュアする
- 適性室温:21度
- 適性湿度:60%〜70%
- LED照射:なし
さらに品質を求めるのであれば、「キュア」という段階に入ります。
キュアとは、一言で言えば、「大麻を熟成させる」という作業です。
キュアしているとしていないとでは、品質に大きな違いが生まれます。
大麻草をメイソンジャーに入れて、暗所に保管します。
メイソンジャーとは、簡単に言えば大きめの瓶です。
キュアすることで、さらに余分な水分が抜けて、よりガツンとくる大麻に変わります。
キュアする期限としては、3週間程度が目安。
入れる量としては、メイソンジャーの8分目が目安になります。
それ以上入れると、水分がうまく抜けなくなってしまいます。
ただしキュアする場合は、換気が必要です。
1日に1回はメイソンジャーを開封し、空気を回すようにしましょう。
そして室温も、26度前後で妥協するのはおすすめできません。
やはり大麻に負担がかかり、有効成分も飛んでしまいます。
21度前後で保たれるよう、調整しましょう。
大麻を育てるより、CBDのほうが現実的ではある
ここまで大麻を栽培することについて、前後編に分けて解説しました。
上記の方法であれば、ひとまず大麻を栽培することは可能です。
ただし、日本において大麻栽培は非常に罪の重いことであり、決しておすすめはできません。
もちろん海外にいる人はそれでよいでしょうが、日本ではやめておきましょう。
ただ、日本において大麻成分を体験できないかと言われればそうでもありません。
日本でも、CBD(カンナビジオール)を楽しむことは可能です。
CBDとは、大麻成分に含まれているカンナビノイドの一種ですね。
CBDが、日本において完全な合法だとされています。
そしてCBDには、以下のように大麻ほどではないにせよ、さまざまな効果が期待できるのです。
たとえば、
- 集中力を向上させる
- 睡眠の質を高める
- リラックスできる
- 不安やイライラを低減させる
- 肌の調子をサポートする
- エンドカンナビノイドシステムの調子を整える
- 食欲を増進させる
というようなことですね。
関連記事:CBDは、実際には効果ない? 本当に使う価値はあるのか
大麻における、いわゆる「チル系」の効果を感じることはじゅうぶん可能です。
THCという成分は入っていないので、いわゆる「ぶっ飛ぶ」「キマる」という効果はありません。
だから、ある意味で安心して利用することが可能です。
具体的なCBDアイテムとしては、以下のようなものがおすすめできます。
CBDリキッド(ヴェポライザー)
大麻栽培を考えるくらいなら、おそらくマリファナとして吸引することをイメージしていると思います。
だとすれば、煙を吸うタイプのCBDリキッド(ヴェポライザー)がおすすめです。
特にNATUuR(ナチュール)のものは煙量が多く、しっかりとした吸いごたえを感じられます。
しかも値段が2,900円とかなり安いので、誰でも無理なく購入できるでしょう。
ちなみに本来CBDリキッドを楽しむなら、専用のヴェポライザーも用意しなければいけません。
しかしこちらはヴェポライザーとセットなので、買ったそばから利用できます。
iQOSみたいなものなので、タバコ代わりにして禁煙目的で吸うのもおすすめです。
CBDペン
CBDペンもおすすめです。
これも、吸うタイプのCBDアイテムですね。
CBDペンは基本的に使い捨てで、吸ったらもう捨てるだけの手軽なアイテム。
しかも値段が安く、AZTEC(アズテック)のものなら2,420円からスタートできます。
とりあえずCBDを試してみたい人には、たいへんおすすめです。
こちらはCBD濃度10%とかなり濃厚なので、効きめのほうにも期待が持てます。
CBDグミ
吸うタイプではないなら、CBDグミがおすすめ。
CBDグミは、名前のとおりグミにCBDを組み合わせたお菓子のことです。
美味しく食べながらCBDの効果も楽しめるすぐれもの。
特にCBDfxのものは、味が極めてよく、無理なく食べ続けられます。
また、固形のCBDアイテムは効果が長続きしやすく、コスパ面でもすぐれているのがメリット。
さらにヴェポライザーなどとは違い、煙を出さなくてもよいので、どこでも食べられます
まとめ
前編・後編にわたって、大麻栽培の具体的な方法を解説しました。
環境を用意する費用としては、高くても10万円程度。
そして必要なものは、Amazonやホームセンターで揃えられます。
栽培のプロセスにおいては、湿度や温度など、さまざま気を配る必要があります。
各期における最適な環境が築けるようにしましょう。
また大麻栽培は奥が深く、人によってベストとなる方法は変わってくる部分もあります。
栽培の経験を積み上げることで、自分にフィットする方法を見つかるはずです。
繰り返しになりますが、日本では大麻栽培は違法とされています。
また、単純な所持とは違い、栽培は重罰になる傾向があります。
かならず合法国において、大麻栽培を実施してください。
もし日本にいるなら、もちろん大麻栽培はお勧めできません。
しかし、CBDアイテムで、れっきとした大麻成分を楽しむことは可能です。