ヘンプオイルという新しい油種が、にわかに注目を集めています。
美容や美容をサポートできる可能性がある、というのが大方の見方で、海外では女性からは相当な人気を集めています。
とはいえ、ヘンプオイルについて詳しく知っている人は、さほど多くないでしょう。
特に大麻にはやたらと手厳しい日本では、ヘンプオイルはより知られづらい部分があります。
本記事ではヘンプオイルの概要や、それがもたらす効果について解説しています。
ヘンプオイルとは?
中には、「ヘンプオイルってそもそも何?」と思っている人もいるはずです。
まず、ヘンプオイルの定義を再確認しておきましょう。
ヘンプから採れたからヘンプオイル
ヘンプとは、「麻(アサ)」のことです。
大麻やマリファナの原料になる、あの「麻」の仲間です。
麻から抽出した成分を集めたものが、ヘンプオイルとして流通しています。
といっても、何も「ハイになる」とか「楽しくなる」麻(大麻草)とは品種が違います。
大麻草にはTHCという向精神作用をもたらす成分が、大量に含まれています。
しかしヘンプオイルの原料となる麻には、THCはほとんど含まれていません。
その量は人体に影響を及ぼすには程遠く、ヘンプオイルを飲んだからといってハイになるようなことは絶対にあり得ません。
どうやって作られている?
ヘンプオイルは、麻の種から作られています。
麻の種に外圧をかけ、油を絞り出していきます。
いわゆる「圧縮」というわれる採取方法です。
採取できるまでに薬剤などを使わず、よりピュアなオイルが採取できます。
基本的にヘンプオイルは、圧縮を用いて生産されています。
オーガニック志向の人にとっては、かなり興味深いポイントです。
ヘンプオイルに含まれている成分
ヘンプオイルには、人体にとって好ましい成分がさまざま含まれています。
ものすごく数が多いので、以下の表を参照にしてください。
成分名 | 期待されているはたらき |
銅 | 血液を作ることをサポートする |
鉄分 | 血液を体へ循環させる、エネルギー代謝 |
亜鉛 | 髪や肌の健康サポート、免疫力を応援 |
マグネシウム | 骨を強くしたり、代謝を助けたりする |
ビタミンA | 抵抗力を強める、抗酸化作用 |
ビタミンC | 疲労の蓄積を予防する、抗酸化作用 |
ビタミンE | 神経や筋肉を正しく機能させる |
食物繊維 | ブドウ糖やコレステロールをおさえる |
α-リノレン酸 | 肌の活動をサポート、血行促進を応援 |
γ-リノレン酸 | 肌の活動をサポート、肌トラブル対策 |
オメガ3脂肪酸、オメガ6脂肪酸 | 肌の保湿や、にきび、湿疹改善をサポート |
というように、有効性の高い成分がズラリとそろっています。
「健康を高めるためには、積極的に摂りたい」と言われている成分は、たいてい揃っているような印象です。
逆にヘンプオイルは、オイルなのに「トランス脂肪酸を含んでいない」という特徴を持っています。
よく聞かれる話ですが、トランス脂肪酸の厄介さは、ただ事ではありません。
コレステロール値を高め、最終的には動脈疾患や肥満など、いろいろなリスクへとつながってしまいます。
そして多くのオイル(油)には、たいていトランス脂肪酸が含まれています。
れっきとしたオイルであるにもかかわらず、トランス脂肪酸を含まないヘンプオイルは、かなり貴重な存在です。
ヘンプオイルの味について
味については、ものすごく美味しいというわけではありません。
要するに「菜種油」みたいなもので、旨味成分は含まれておらず、少し葉っぱ臭い味がします。
良いように言うなら、オリーブオイルに近い何かとも表現できるでしょう。
とはいえ、ものすごく味が濃い、というわけでもありません。
少量を料理で使う程度ならば、あまり問題はないでしょう。
チャーハンを作ったとして、サラダ油の匂いが気になる、という人はほとんどいないはず。
ヘンプオイルの味や匂いも、サラダ油に似たようなものです。
ヘンプオイルに期待されている効果とは?
そしてヘンプオイルには、以下のような効果が期待されています。
あまりにも大きなポテンシャルを秘めているので、「スーパーフード」などと呼ばれることも。
美容について
冒頭でも述べたとおり、美容においてはかなり強力なサポートであると考えられています。
ヘンプオイルを肌に塗れば、さまざまな変化が得られる可能性があります。
まずヘンプオイルには、「オメガ3脂肪酸」および「γ-リノレン酸」がたくさん入っています。
そしてこのふたつはいわゆる「保湿」という面で役立つものです。
ヘンプオイルがあれば、肌の保湿は相当に助けられるでしょう。
さらに、にきびや湿疹といったトラブルにも関係しています。
先ほど挙げたγ-リノレン酸は、「炎症をおさえる力を持っている成分」です。
にきびや湿疹も、突き詰めれば「炎症」です。
つまりヘンプオイルなら、にきびや湿疹改善をサポートできます。
さらにα-リノレン酸は、脂肪の燃焼をうながす効果があります。
つまり、ダイエットをサポートすることも可能というわけです。
その他、
- ビタミンCが、光老化を防ぐ
- 肌を健全に保ち続けるビタミンE
- より保湿を助けるリノール酸etc…
などの成分が入っており、美容に関する効果を挙げればキリがないほどです。
今使っている美容用品に満足していない場合は、ぜひ一度ヘンプオイルを試して欲しいところ。
病気なども予防できる可能性がある
ヘンプオイルは、健康へ貢献するという風にも評価されています。
特に、「生活習慣病」と「認知症」の予防効果は、かなり注目されています。
生活習慣病については、α-リノレン酸が有効。
血液の質を改善することで、脳こうそくなどのリスクを低減させます。
認知症予防についても、αリノレン酸が活躍。
脳細胞を活性化させ、いわゆる「ボケ」ることを遠ざけてくれるものです。
その他、
- アトピー性皮膚炎の治療をサポートする
- 動脈硬化の予防を補助する
- 血圧や血糖値の安定をサポートする
- 生理痛、月経前の精神的不調の改善を助けるetc…
など、さまざま効果が考えられます。
とにかくヘンプオイルは、あらゆる面で貢献してくれるでしょう。
関連記事:医療大麻とは一体なんなのか? 秘められた効果を解説します
ヘンプオイルを効果を得るには、どのように使えばよいか?
ヘンプオイルの使い道は、ふたつ。
1つは、食べ物として食べるという方法。
ヘンプオイルに含まれている栄養素をしっかり取り込むなら、食べるのが一番です。
ただしオメガ3脂肪酸などは、熱を加えると変質してしまいます。
よって、できれば加熱しないのがおすすめ。
ヘンプオイルを加熱せず、ドリンクに混ぜたり、サラダにかけるのが理想です。
より健康的なサポートを得たい場合は、食べるとよいでしょう。
もうひとつは、「肌に塗る」という方法。
美容アイテムとして使う、ということですね。
ちなみにヘンプオイルは、肌に刺激を与えない優しいものでもあります。
一般的なスキンケアオイルとは異なり、薄めたりする必要はありません。
そして肌に塗ったところで、基本的にはリスクはないと見られています。
塗り方は、一般的なスキンケアオイルとさほど大きな違いはありません。
- 入浴後に化粧水などを塗る
- その上にヘンプオイルを塗り込む
- 余分なヘンプオイルを取り除く
という手順でOK。
また、にきびや湿疹などがある場合、患部へピンポイントに塗り込みましょう。
ヘンプオイルとCBDオイルにおける効果の違い
よく、「ヘンプオイルとCBDオイルは何が違う?」という疑問が聞かれます。
両者の間には、以下のような違いが存在します。
ヘンプオイル | CBDオイル | |
原材料 | 酩酊成分の入っていない品種の麻 | 酩酊成分が入っている品種の麻 |
製法 | ヘンプの種子から抽出 | 種子や茎、花から抽出している |
オイル | 抽出されたもの | 他のオイルでCBDを希釈している |
精神効果 | なし | リラックスする、集中できるetc… |
成分 | さまざまな栄養成分 | ほとんどがCBD |
というようにヘンプオイルとCBDオイルには、さまざまな違いがあります。
直接的にかかわってくるのは、精神効果と成分でしょう。
この違いについては、よく理解しておく必要があります。
一方でヘンプオイルとCBDオイルの間には、共通点もさまざま存在します。
たとえば、
- なんらかの美容効果がある
- さまざまな病気や疾患の改善をサポートする
- さほど味が悪いわけではなく、飲むことも可能
- 経口摂取と肌に塗るという、二つの使い方があるetc…
といった点は共通です。
共通点と相違点を踏まえて、どちらを使うか判断するとよいでしょう。
ちなみにCBDオイルは、下記記事で詳しく解説しているので、参考としてください。
関連記事:CBDオイルとは何か?秘められた効果や入手方法まで、詳しく解説します
ヘンプオイルは、どこで手に入る?
ヘンプオイルは、日本でも簡単に入手できます。
たとえば、
- オーガニック製品を取り扱うお店
- 美容品店
- Amazonや楽天などのECサイト
などで、当たり前のように取り扱われています。
ただし実店舗で購入する場合はやや割高になる側面があるので、注意してください。
探す手間などもかかるので、基本的にはECサイトからの購入をおすすめします。
まとめ
ヘンプオイルは、美容と健康において、強烈な効果を期待されています。
原料は「麻」ですが、大麻の原料になっている品種とは異なります。
したがって違法性はあるはずもなく、また危険な精神作用が起こることもあり得ません。
人体にとって好ましい成分がさまざま含まれており、一方で危なっかしい成分が含まれているという報告も聞かれません。
今後もヘンプオイルは普及し続け、ポピュラーなものとなっていくでしょう。
ぜひ一度、ヘンプオイルを試してみてください。