MCバトルに強いラッパーランキング30

2014年ごろから根づき始めたMCバトル。これまでの歴史において、数々のラッパーが現れました。

本記事では、戦績などを参考に、強いラッパーランキングトップ30を解説します。

目次

MCバトルのラッパーランキングベスト30

<評価基準(上に行くほど重要視)>

  1. UMB、KOK、BATTLE SUMMITなど主要な大会での成績(直近であればあるほど評価が高い)
  2. フリースタイルダンジョンでの戦績及び出場歴
  3. 戦極、凱旋、SPOTLIGHT、ADRENALINEなどの大会での成績(直近であればあるほど評価が高い)
  4. インターネット上で行われている各メディアの投票結果
  5. 本人が出演したMCバトルのYouTube動画再生回数

1位:R-指定/フリースタイルの最高到達点

オリコンチャート1位は挨拶がわりだ

1位はあのロン毛です、ありがとうございました。

というのは冗談で、ライム・フロー・アンサー・バイブス・パンチラインその全てを高い次元で供えるフリースタイルの最高到達点

あの呂布カルマも「R-指定がインフルエンザでクソ体調悪くて、俺が絶好調だったら勝てる」と評価するほどの強さです。

また戦績面は金ピカで輝くかのように豪華でした。

  • UMB GRAND CHAMPION SHIP3連覇
  • UMB大阪予選5年連続優勝
  • ENTER MC BATTLE3回優勝
  • ADRENALINE MC BATTLE2回優勝

UMB GRAND CHAMPION SHIP3連覇は、今も前人未到の記録。ENTERもADRENALINEも1回取ればとんでもないことなのに、当たり前のように複数回獲得しています。

さらに参加人数が多い修羅場であるUMB大阪予選を5年連続で優勝し、あたおか中のあたおかです。

またフリースタイルダンジョンでは「4人目」の大役を守り、般若の一歩手前まで迫ったチャレンジャーに絶望を与え続けました。

あれだけ長い間放送していて毎週のようにバトルしていたのに、負けたのはたったの4回だけ(TK da 黒ぶち、焚巻、KOPERU、崇勲)。

さらに般若引退後はラスボスに君臨。3代目モンスターたちが優秀だったため出番は1回だけでしたが、彼がいることでフリースタイルダンジョンが勝ち筋なしの無理ゲーになったのは間違いありません。

2022年、FSL発足に際して衝撃のバトル復帰。T-Pablowと名試合を演じて、バトルMCとして健在であることを示しました。

強迫性障害とADHDについて

はっきりと公言しているわけではありませんが、R-指定は「強迫性障害」と発達障害のひとつであるADHDを持っているのではないかと言われています。

きっかけは、本人が「遅刻が多い」「服を着るときに一定のリズムがあり、それが守られないと服を着直す」といったエピソードを語ったことでした。

さらに「学校から家までの帰り方の”リズム”が悪いと感じ、また学校から家まで歩き直した」というエピソードも。

この時点で一部の人々から「強迫性障害やADHDなのでは?」と疑われます。

そして餓鬼レンジャーとのfeat.で「ちょっとだけバカ with Creepy Nuts」をリリース。以下のバースが聞かれたことから、おそらく強迫性障害とADHDだろうと言われるようになりました。

ADHD OCD(強迫性障害)なりに全身全霊過ごす日々

(中略)

Fランク大学三回生当時たった8単位で除籍

本人から具体的な病名が出たので、おそらく間違いないと思われます。

ただしADHDは、言い換えれば頭の回転が速く、OCDは一つのことにこだわれる性質でもあります。要するに「即興で母音が一致した言葉を出す」という作業にはこれ以上なく向いているわけです。

一般的にハンデだとされるADHDとOCDですが、彼はそれを味方につけたラッパーだといえるでしょう。

2位:晋平太/MCバトルの立役者

Zeebra兼志村けん

2位は晋平太。UMB2010、2011を連続優勝して歴史に名を刻んだライマーです。

全盛期はR-指定に勝利するほど強く、とにかく手のつけようがない圧倒的なスキルを発揮していました。2011年はチプルソや呂布カルマ、NAIKA MCなどの強豪をほとんど寄せ付けず優勝。

引退する詐欺をするクセがあり、バトルをやったりやらなかったりしますが、戦極の武道館大会やKOKにも出場。結果こそ振るいませんでしたが、もう20年近く最前線で戦っているその姿には熱いものを感じます。

晋平太が強いのは、圧倒的に韻を踏む能力が高いのはもちろん、呂布カルマがいうところの「主人公気質」も理由として挙げられます。

彼自身は漢さんを怒らせたり、UMB GRAND CHAMPION SHIPの司会で問題を起こしたりしてトラブルメーカーな側面があります。R-指定いわく「誤解のされやすい人」です。

そんなこともあり、MCバトルに出るときは全員が「晋平太を倒す」という、いわば包囲網が張られるような状態になるのですが、これを無理やり突破して、嫌われれば嫌われるほど強くなる…という天性の素質を持っています

双極性障害について

晋平太は自身のYouTubeチャンネルで、双極性障害を患っていると公表しています。いわゆる躁うつ病で、「元気に活動できるとき」と「そうでなく、深く落ち込むとき」が交互に訪れる精神疾患のひとつです。

この点は呂布カルマによっても指摘されており、「俺の知っている晋平太ではない」とコメントされていました。実際問題、YouTubeチャンネルでスタッフにキレる場面があったり、UMB2021の司会で出場者に迷惑をかけたりと不安定な場面が多々見受けられます。

これはおそらく、双極性障害における「躁」の状態、つまり、元気に活動できる時期だったのでしょう。心配なのは「鬱」になったとき。

周りの人が彼のことを支えてあげられるかが心配です。

3位:呂布カルマ/現役最強

魔法陣完成

今現在バトルに出ている中で現役最強と言えるのは、やはり呂布カルマでしょう。韻を踏まずに相手を理詰めで圧殺するスタイルで知られています

戦績のほうも優秀で、KOK2020優勝、UMB GRAND CHAMPION SHIP準優勝、フリースタイルダンジョンでは4人目のR-指定まで到達。そのほか戦極や凱旋などでも輝かしい結果を残しています。

とにかくアホほど強く、特にイケイケの若手などを次々血祭りにするさまがよく見かけられます。たった一言で即死させる気持ちいい瞬間もしばしば。

ラップではなくとも議論にも圧倒的に強く、あのひろゆきを持ってしてもディベートで打ち負かせられないレベルです。

そんな彼ですが、輪入道やNAIKA MCとの相性の悪さを語っています。輪入道に関しては「攻め方がわからない」、NAIKA MCに関しては「どうやったってNAIKAが正義、俺が悪という構図が生まれるので難しい」とのこと。

またUMB GRAND CHAMPION SHIPは何度出ても、何回やっても、名前を変えても何しても優勝には届かず。シルバーコレクター的な側面があり、何らかの呪縛にかかっているようなMCでもあります。

特に戦極では第17章以降7回にわたって決勝の舞台に立ち、すべて敗北して準優勝に終わっています

4位:Authority/BATTLE SUMMIT王者

青い地球の黄色い主人公

2018年UMB GRAND CHAMPION SHIPで頭角を表し、今ではBATTLE SUMMITの王者にまで成り上がった青森レペゼンの天才児

「R-指定の再来」と言わしめるほどのライム・フロウ・アンサー・バイブス、そして他の追随を許さない圧倒的なリリシズムで、観客を熱狂の渦に叩き込みました。

  • 青い地球の黄色い主人公
  • 落ちちゃいけない汚れはイエローって決まってんだよ
  • 切り裂く切れ味抜群
  • 俺たちは若きシェイクスピア
  • 社会不適合者からなる無敵王者
  • バカ、生のほうがいいだろ?

など、イカれきったパンチラインを数多く残しています。一撃の重み、リリカルセンスだけでいえばR-指定以上かもしれません。

戦績も優秀で、2019UMB GRAND CHAMPION SHIPを獲得、同年のKOKでは決勝まで駒を進め、あわやUMBとKOKのダブル制覇を成し遂げる直前まできました。

現在はトップMCとして、フリースタイルリーグで活躍しています

関連記事:R-指定越え?ラッパーAuthorityのプロフィールや音源を解説

5位:FORK/KOK2021年王者、フリースタイルダンジョン3代目時代無敗

これ偽りかな?

5位はFORK。UMB GRAND CHAMPION SHIP2006で優勝し、2018年ごろにフリースタイルダンジョンで隠しモンスターとして登場。

NAIKA MC相手にバチバチの試合を展開して、韻の魅力をたっぷりとアピールしました。その後はフリースタイルダンジョンのモンスターに就任し、呂布カルマと共に「出てきたら詰む」レベルの実力を披露します。

またフリースタイルダンジョン3代目時代は、6試合やって6勝0敗という圧倒的な成績を残します。彼を倒しても呂布カルマがおり、そしてR-指定が控えているという絶望的な状況でした。

近年はKOK2021年大会で呂布カルマを下して優勝し、久しぶりの全国タイトルを獲得しました。

記憶をひっくり返してもFORKが負けた試合は思い付かず、しばらく無敵状態が続いています。最近で言えばLick-Gくらいでしょうか。

ちなみに現在も運送業者で働いているという堅実な側面も持っています

6位:T-Pablow/現代のラップスター

そして俺がRap Star

ラップがうまい、バトルが強いのはもちろんですが、現代のラップスターとして輝き続けるT-Pablow

BADHOPを率いて日本武道館公演を成功させるなど、すでにHIPHOPの歴史には欠かせない存在となっています。

高校生ラップ選手権では2度の優勝果たしたあと、ほとんどバトルには出場せず。ただ2022年5月に開催された凱旋MC Battleにフラっと出場、そのままあっさり優勝して圧倒的な実力を見せつけます。

FSL発足に際して、R-指定とのエキシビジョンマッチにも登場。バチバチのバトルを展開し、観客を大いに沸かせました。

不良として成り上がってきた彼ですが、その生い立ちと人生は波瀾万丈。母子家庭に育って中学校ではケンカばかり。

精神的に追い込まれていたとき、米国で暮らすおばに声をかけられて渡航。そこでストリートカルチャーに触れて、音楽で勝負することを決めています。

また友人をバイク事故で失うなど、色々と背負うものが多い人物です。

7位:mol53(RAWAXXX)/KOK2020年王者

 

宗教みたいでMother Fxxker

攻撃的でとっつきづらい性格で知られるmol53。しかしスキルのほうは抜群で、とにかく完璧すぎるビートアプローチとフロウを武器としています。

その完成度は圧倒的で、ちょっとしたライムや見せかけのバイブスしか持ち合わせていないMCは彼の手によって瞬殺されます。いつしかのイベントで「処刑執行人」というあだ名がつけられていましたが、そのとおりだといえるでしょう。

2019年には、当時にノリに乗っていたAuthorityと大激戦のすえに倒して優勝。GADORO、呂布カルマの因縁を断ち切り、見事全国タイトルを手にしました。

2022年の凱旋MC battle 3on3では、対戦相手を煽りまくるスタイルでよくも悪くも物議をかもしました。

漢曰く、「人生で寂しいところに着地する瞬間があるかもしれない人」と呼ばれており、色々ととんがっている人物です。しかしそのスタイルこそがHIPHOPだと評価してついていくヘッズも少なくありません。

8位:MU-TON/UMB GRAND CHAMPION SHIP2018王者

オトノナルホウヘ

2016年にフラッとシーンに登場したと思うと、あれよあれよという間にフリースタイルやらUMB GRAND CHAMPION SHIPやら、戦極など大活躍

2018年にはUMB GRAND CHAMPION SHIP王者に成り上がり、レジェンドの仲間入りを果たしたMU -TONです。

彼の特徴は「ずるい」としか言いようのないかっこいい濁声、そして英語割合の高い独特なフロー。韻やアンサーの質も高めで、さらにルックスやファッションもイケているという、非常に魅力的なラッパーです。

特にフローは唯一無二の魅力があり、以下のような異次元レベルの歌い回しを披露します。

とにかく弱手らしい弱点がなく、対戦相手からすれば本当にしんどい相手です。

ADHD(注意欠陥多動障害)について

本人のステージ上での発言を聞く限り、どうやらADHDを持っているようです。忘れ物や遅刻が多いらしく、本人もそこそこ困っている様子。

また「福岡空港に行くはずが新千歳空港に飛んでしまう」というとんでもない遅刻をやらかしていたことがあります。九州と北海道という違いです。

羽田と成田ならどうにかなりますが、福岡と新千歳間はどうにも…

筆者も家族にADHDを持っている人がいるので、様子を見ていますが、その見地から言えば彼には福祉が必要なレベルで症状が出ています。

ただ本人曰くADHDであることを後ろ向きには捉えていないようで、こういった障がいを抱えながらもMCバトルや音源で活躍している部分はかっこいいとしか言いようがありません。

9位:GADORO/KOK二年連続優勝

バトルじゃなくたって戦ってるのさ!

圧倒的なライミングスキルを武器に戦うGADORO。チプルソを彷彿とさせる完成度の韻を惜しみなく注ぎ込み、8小節目で確実に落とすスタイルです。

とにかく確実に客をアゲた状態でバースを返してくる安定感があり、対戦相手からはかなり警戒されていました。

実績は優秀で、2016と2017のKOKを連覇。この頃は一つひとつのライムの威力が尋常ではなく「叩き上げが叩き込むよバックスクリーン」など、気の利いた言い回しも好んで活用。

また当時は「ガドラー」という言葉が生まれるほど心酔するヘッズが登場。「オーディエンスが、GADOROでは盛り上がるが対戦相手には上がらない」という現象が多々発生しました。

ガドラーと呼ばれる人たちの存在には賛否両論ありますが、彼がそれだけヘッズを自分の世界観へ引き込んだということの現れです。

生い立ちについて

GADOROは自分自身の生い立ちをかなり鮮明に語っているタイプのラッパーです。

父親が刑務所に収監されるなどの経緯があり、ほぼ母子家庭で育ちます。売れる前までは(多少脚色されている部分もあるでしょうが)かなり貧しい状態で育っており、本人も借金まみれになるなど荒れていた様子です。

音源では「車にEランプがついている」「タバコはエコー」など、かなり苦しい懐具合を感じさせています。

HIPHOPは持たざる者が力を保つための音楽とされますが、まさにそのとおりだといえるでしょう。

10位:チプルソ/2年間でここにランクインする男

お前死ねや

10位はチプルソ。たった2年間で他のMCと匹敵するインパクトを残し、この順位にランクインしています。

チプルソのことを知らない人に彼を紹介すると、「とにかく一人だけ剣幕と技術のレベルが違う人がいる」という状態でした。

まず、韻の完成度が凄まじく、「お前は甘口、ウォルトディスニー、俺は辛口モルトウィスキー」、「俺のラップがネタみたい?それは埼玉のヘタクソの妬みかい?」など、当時としては考えられないレベルのラインを連発していました。

当時は即興であることが評価される時代だったのですが、その文化を塗り替えたのがチプルソです。

また「コイツもう、好感度とかどーでもいいんだな」と思わせる剣幕にも注目が集まりました。

  • 「俺はラップでここまできたんじゃボケ!」
  • 「お前死ねや!」
  • 「死ね、きっしょ!」

と甲高い声で罵ります。最近の小洒落た韻の踏み合いがかすれるような口汚さです。

戦績は、戦極5勝優勝。当時全盛期を迎えていた晋平太を下しての優勝でした。

11位:早雲/2020年UMB GRAND CHAMPION SHIP王者

波打ち際のメンタリティ

少なくとも2010年ごろからはバトルシーンで戦っている早雲。近年では戦極・凱旋あらゆる現場に登場することから、よく知っている人も多いのではないでしょうか?

ベテランならではな安定したスキルと一本筋の通った人間的魅力で勝負するMCです。貫禄を見せつけて、若いラッパーを一刀両断する場面が多く見られます。

また対戦相手のことをリスペクトしながら戦うスタイルも支持されており、ラッパー以前に人として格好いい人物です。

2019年には、当時絶頂期を迎えていたAuthorityとUMB決勝で激闘。口がポカンと開いてしまうようなハイレベルな空中戦の末敗れました。

しかし翌年もUMB2020決勝へ到達。句潤との延長戦を制してUMB GRAND CHAMPION SHIPを獲得するに至ります。

その後はとんでもない完成度の音源をリリースしたり、UMB連覇を目指して出場したりと大活躍。

ちなみにUMB2021では準決勝で黄猿で激突。ボディタッチをめぐって黄猿と押し合い、睨み合いになるなど、ヒートアップした場面を見せました

ボディタッチした早雲のほうが悪いような気もしますが、UMB2021に関しては晋平太の司会の進め方に出場MCが不満を感じていており、そのせいで上記のような展開になったようにも見えます。

12位:ふぁんく/UMB2019 THE CHOICE IS YOURS王者

マイクが震えてるってMU-TONに言われてたゾォ〜

名門、梅田サイファー出身のふぁんく。R-指定らとともにバトルの歴史を作り上げた人物のひとりです。

思わず笑ってしまうギャグラップと、シンプルに高いラップスキルが魅力。

上記の動画のように「ねぎま ねぎま」と、まともにやるのがアホらしくなるようなラップをするのが面白いところ

AREA AREAを何だと思っているのか(いい意味で)

ギャグの部分だけが注目されますが、実力もじゅうぶんに備わっています。特に相手の矛盾を突くのが得意で、あの呂布カルマすら何度も論破しています。

呂布カルマが「バトルは相手がいるから成り立つ」と「俺の意見は業界全体を踏まえた話」と主張したところ、ふぁんくが

「はいはい、バトルは1対1って言ってたのに結局見てるのは業界全体で俺の話にいっさいアンサーしてない、マイクが震えてるってMU-TONに言われたゾォ〜」

と煽り倒し、呂布カルマを退けました。早口で正論をまくしたてるウザキャラは、シーンでも高く評価されています。

13位:Lick-G/フリースタイルダンジョン制覇

ライム連打の百裂拳

パッと出てきてパッと引退して、レジェンドとなったLick-G

「天才」という言葉が誰よりも似合うMCで、才能に裏打ちされたフロウと高い即興性、そして言語的には説明しづらいカリスマ性を備えたラッパーです。

高校生ラップ選手権は当然として、彼の最大の功績はフリースタイルダンジョンをクリアしたこと。相手には挑戦者としては「ハズレ」の部類に入る呂布カルマとFORKを含んでいます。

しかも恐ろしいことに全試合をクリティカルで勝利しており、フリースタイルダンジョンの存在意義すらグラつくような衝撃を残しました。

この日のLick-Gは神がかっており、フロウはビートにぴったり、韻はいくらでも出てきて、アンサーも的確。

あのFORKや呂布カルマですら手のつけようがないさまは、視聴者に大きな感動と衝撃を与えました。

14位:SAM/戦極25章優勝、凱旋西日本Zeppツアー優勝

始めようド派手なパーリナイ

2016年UMBあたりから名を上げ、ライマーとしては最強クラスのラッパーに成り上がったSAM。

戦極や凱旋で何度も優勝を果たし、また地元栃木ではPer lifeというクルーを率いています。

SAMといえば、やはりマニアックすぎるライミング。韻を踏むにもいろんなパターンがありますが、長い単語で踏んだり、マイナーな単語同士で踏んだり、細かく連打したり、SAMはそのすべてを高いレベルで使いこなします。

そして興味深いのが「子音踏み」という超人的技術です。要するに同音異義語を使うやり方ですが、

嫉妬をしてる→芯通してる→Shit落としてる?と、同じ音でライミングします。これだけマニアックな韻を考える人は珍しく、とりこになっているヘッズは多数。

筆者も彼の大ファンで、彼と同じようなライミングができないか日々研究しています。

15位:崇勲/KOK2015王者

何かが足りないな

なんだかわからないけれどもとにかく強い、としか表現できない崇勲

やや自虐的なラップと、なんとも言えない渋みと愛嬌が魅力です。

本当に書くことに困るくらいよくわからないのですが、強いて言うなら崇勲の強さは相手のディスをうまく受け流すところにあるかと思います。

何か指摘されても「それは認めたうえで崇勲が勝つ」というスタイルで、言うことがシンプルながらスキがなく、崩そうと思っても崩せないディフェンス力があります。

その点と脱力感のようなものが評価され、KOK2015で優勝、初代王者の栄光を手にしました。

さらにモンスター感があるのか、二代目モンスターにも抜擢されます。一人目か二人目に出てきて、調子付いているチャレンジャーのリズムを狂わせたり、泥試合に持ち込んで消耗させたり、戦略上重要な役割を果たしていたように思えます。

これほど言語化しづらいラッパーも珍しく、唯一無二の個性を持っている人物あと言えるでしょう。

16位:CHICO CARLITO/UMB GRAND CHAMPION SHIP2015王者

プライドと共に帰ってきたCHICO CARLITO

CHICO CARLITOの魅力といえば、アツいバイブスとフロー、そしてDISよりも相手を受け止めるようなアティテュードの良さが魅力です。

そして何よりも恐ろしいのが、波に乗った時の圧倒的な強さ。UMB2015では初出場ながら並み居る強豪をガッツリと飲み込み優勝を果たしました。

そこからフリースタイルダンジョンで初代モンスターを担当するものの戦績は振るわず、悪夢の5連敗を経験する時期も。このあたりはCHICO CARLITOというラッパーのギャンブル性を表しているようにも見えます。

フリースタイルダンジョンを離れたあとは、しばらくラップの舞台から離れていました。

しかし2022年、真ADRENALINEで復帰。UMB2019王者Authorityと激突して勝利。そのままの勢いで決勝まで辿り着きFORKと当たります。

ORKに対して、「ビーフでもチキンでもない、いただくぜFORKで」というパンチラインを放ち、この日一番の大熱狂を会場にもたらしました。その後も戦極や凱旋など主要な大会に出場し、2015年の爆発力そのままに活躍しています。

とにかくハマったときはR-指定以上の力を示す、ロマンあふれるMCです。

17位:鎮座DOPENESS/フロースキルのレジェンド

???

鎮座DOPENESSの魅力といえば、天才としか言いようのない圧倒的なフロースキル。

言っている内容とか、韻とか本当にどうでもよく、とにかく聞き心地のよさだけでブチ上がれるのが魅力です。これだけでUMB GRAND CHAMPION SHIPを制し、近年でも多数のタイトルを獲得しています。

またステージ上で見せるステップも魅力で、たったそれだけでヘッズを釘つけにするステージングセンスも持っています。

ラップというのはある程度練習すれば誰でもうまくなるのですが、鎮座DOPENESSだけは真似したくてもできません。

ちなみに彼はUMB2009の王者です。晋平太VSR-指定の前年大会ですね。またUMB2020 THE CHOICE IS YOURSでも優勝しています。

ラップバトルにはアンサーやライムが重要視される側面がありますが、フローの一本槍で全国の頂点に立つのは偉業と言って差し支えないでしょう。

18位:DOTAMA/ミスターUMB GRAND CHAMPION SHIP

もらってねぇもんがあるからやってきたんだ

R-指定の永遠のライバルとされるDOTAMA。ふぁんくと並ぶギャグラッパーとして知られています。

観客を笑わせつつ痛烈なDISをカマし、しかもそれがメガネサラリーマン風の男がやっているという異常な光景を作り出します。

一方で熱いバイブスも持っており、「絶対に勝つんだ!」という気持ちをまっすぐにぶつけていくのも魅力的です。

バトルMCとしてのキャリアは非常に長く、UMB GRAND CHAMPION SHIPの前身である「お黙りラップ道場」なるイベントからずっと出演を続けています。

それから十数年優勝できなずにいたのですが、2017年、ふぁんくとの延長延長の末にようやく優勝。ミスターUMB GRAND CHAMPION SHIPという称号と「呪縛」から解き放たれました

現在はBATTLE SUMMITに出場したり、フリースタイルリーグに出てきたり、トップMCとしての活躍を広げています。

キャラクターがはっきりしてることもあり、企業案件でも引っ張りだこ。たとえばダイナブックなどのCMに出演し、同動画は2023年1月現在、549万回再生されています。

19位:NAIKA MC/UMB GRAND CHAMPION SHIP2017王者

腹にダイナマイト巻いてるぞ

ラップシーンにおいても、最高のバイブスを有しているNAIKA MC。思い切り声を張り上げ、パンチの効いた単語をぶちまけるスタイルです。

その力で技術だの韻だの細かい話を打ち砕き、UMB GRAND CHAMPION SHIPを獲得するまでに至りました。

近年も精力的にMCバトルへ出場し、戦極や破天などの大会で若手に対する高い壁として立ちはだかり続けています。

イベントでは最初のブチ上げ役を任されている側面があり、一回戦目第一試合先攻で「What’up? 調子どうだよ!」と声を荒げてグルーブを作り出します。

晋平太との因縁もおもしろいところ。2011年にはUMB GRAND CHAMPION SHIP決勝で当たり、その後も何度も対戦して勝ったり負けたりを繰り返しています。

呂布カルマとの相性がよく、UMB GRAND CHAMPION SHIPを獲得した際に負かした相手も彼(ヤングたかじん)でした。他の大会でも呂布カルマと当たった際にはだいたい勝っており、呂布カルマも「NAIKA MCと当たるとどうしてもあっちが正義で俺が悪になってしまう」と苦々しく述べています。

20位:輪入道/凱旋2022優勝、2代目モンスター

ただ負けたくないだけなんだよ

実力、プロップスともに申し分のない輪入道。熱いバイブスとコワモテな見た目、そして時折見せるしっかりとしたライミングが持ち味です。

一眼で「怒っている」のがわかるMCでもあり、緊張感と高揚感を一瞬で作り出せます。

また輪入道はミスが少なく、言い間違えたり、小説のカウントをミスったりすることがほぼありません。また早口フロウを基本としていますが、その中でも「噛む」とか「つっかえる」といった場面がほとんど見受けられないのが特徴。あまり注目されませんが、その正確性はラップシーンでも随一です。

戦績は優秀で、2013年前後はありとあらゆる小規模大会に出場して優勝しまくります。

元々持ち合わせているキャラクターもあってか、フリースタイルダンジョンの二代目にも登場。さらには2022年凱旋での優勝を飾り、現役のラッパーとして活躍しています。そのほかSPOTLIGHT2020年や真・ADORENALINEなどでも優勝経験あり。

2015年には長渕剛のライブにもゲストアーティストとして出演。アーティストとしても成功をおさめています。

生い立ちについて

輪入道の生い立ちはやや暗いもの。これは本人のインタビューや自叙伝からも窺い知れます。

小学校のころはややクセのある子供だったらしく、運悪くいじめの標的になってしまいました。便所の水を飲まされるなどの被害があり、不登校になってもおかしくない状態だった様子。

またやや落ち着きがない側面があり、一人で別の教室に登校させられた時期もあるとのこと。

その後中学高校と進むにつれて友達にも恵まれるようになり、17歳でラップと出会います。

しかしラップにのめり込むあまり高校の単位を落としてしまい、中卒で音楽の世界へ進むことに。ラッパーらしい、かなりアンバランスな生き方です。

生い立ちに関しては本人も「たいへんだった」と語り、呂布カルマも「今でこそいい男だけど、昔の輪入道はたいへんだった」と述べています。

ラッパーには、壮絶な過去を持っている人が多いのですが、輪入道もそのひとりだと言えるでしょう。

21位:烈固/高校生ラップ選手権優勝・2代目モンスター

ぶっちぎってやろうか鼻ピアス

21位は烈固。現役トップクラスの押韻能力で、高校生ラップ選手権を優勝したスターです。

そのスキルはR-指定からも絶賛されており、特に「ひとつの文章に複数の韻が内蔵されている点」を評価されていました。「お前は滑舌にあくせくしているWack MC」といったラインですね。

即興性が高く、その場で踏み返したり、ストックを話の流れに自然に出したりするのが得意です。また「老朽化したコンピューターじゃノーフューチャー」など、韻の連打も魅力的。

一方でフロウも持ち合わせており、「お前は韻だけでフロウはできないだろ」と言われると、早口フロウで韻を踏みながらアンサーしてきます。

ラップとは話がややズレますが、人間性もひとつの魅力です。謙虚かつ礼儀正しく、特に周りの大人たちから「かわいい子」と言われることが多々あります。

呂布カルマも烈固のことは「もうかわいいでしかない、バトルでも殺しに行けない」と述べていました。

また以下の動画のように、烈固が10代のころに勤めていた寿司屋の店長も、彼にメロメロ。

「顔がいい」「CDは数百回聞いた」「響くものがある」とベタ褒めしています。

漢さんも「烈固は韻も固いし、人間性も固い(堅実で、謙虚)」と表現しました。

ラッパーとしてはもちろん、人としても魅力的な人物です。

育った環境について

烈固が育った環境は、決して恵まれたものではありません。いわゆる貧困家庭育ちで、中学2年生のとき、父親の借金が原因で離婚。

それ以来、母、妹、弟と暮らします。しかし母の精神的な状態が芳しくなく、金銭的には厳しい状態が続きました。これは烈固のお母さんが悪いとか、そういったことが言いたい部分ではありません。

そういった事情から、「友達はお小遣いをもらっているが、自分はない」「ごはんはあるけれど、おかずはない」といった環境で過ごします。高校進学が叶わず、「友達を羨ましく思った」とも。

中学卒業後からアルバイトをはじめ、休みは月2日、給料の中から毎月8万円を実家に入れました。

烈固はそういった環境で、ラップを続けていたわけです。

普通、こんな状況に置かれた人間は捻じ曲がったり、心を病んだりするものですが、そんなことはいっさいなく、人としてラッパーとして真っ直ぐに立ち続けている烈固はとても素晴らしい人間だと言えるでしょう。

22位:CIMA/SPOTLIGHT2013優勝

その雲すら俺が吐いた煙だぜ

22位はCIMAです。関西圏出身者としてはおそらくもっとも有名なラッパーのひとり。レペゼン大阪と勘違いされがちですが、厳密には兵庫県出身。

とにかくイケイケなラップが持ち味で、勢いよく、ノリよく会場の空気を作り上げます。声質も音感もよく、音楽的な完成度も抜群です。

オーソドックスながらしっかりとしたライミングも魅力。話の筋を通してアンサーする力も持っており、バトルにおいてスキらしいスキはありません。

絶っっっっっっ対に大麻を吸っているタイプのラッパー。バース中は大麻に対する愛をよく語っています。

ちなみに若い頃は野球少年だったとのこと。また以外にも?父母は普通の人、家庭環境もノーマルだったそうです。

R-指定との相性がよいことでも知られています。もう動画すら存在しない2010年前後のことですが、R-指定はCIMAに何度も負けています。

23位:ID/3代目モンスター

お前がお前であるように、俺は俺をfootと呼ぶんだ

23位はIDです。フリースタイルダンジョン出場をきっかけに一気にブレイクし、戦極や凱旋などでも活躍するようになりました。

外国にルーツがあったり、長身であったり、ACEとのキャラ被りが心配されていましたが、今はIDのほうが有名になった感じがします

IDの特徴はとにかく誰にも真似できないフロー。韻やアンサーではなく耳心地で勝負するタイプです。

かと思えば「お前がお前であるように、俺は俺をfootと呼ぶんだ」と、深みのあることを言ったりします。

フリースタイルダンジョンでは、3代目モンスターに就任。ちなみにこの出来事からも、IDがどれだけ高い人気を保っているかわかります。

SAMとは特に仲がよく、普段から行動を共にすることが多い様子です。

Authorityとの因縁が深く、真・ADRENALINEで勝ち、フリースタイルダンジョンで負け、埼玉スーパアリーナでは…と、勝ったり負けたりが続いています。

ちなみに本名は矢野愛(やのなるみ)本人の見た目からは想像もつかないほどキュートです。

24位:黄猿/2021年UMB GRAND CHAMPION SHIP準優勝

なんでお前がキレてんの?

まだ戦極が戦慄MC BATTLEと呼ばれていた時代から活躍している黄猿。最近はUMB GRAND CHAMPION SHIPでもすばらしい成績を残し、注目度が高まっています。

持ち味はとにかく聞き心地のよいフロー。強烈な韻が入ってくるわけではありませんが、とにかく聞いていて幸せになれる声質と音程が魅力です。

一方で対話する力も持っており、しかもそれをリリカルに表現するセンスは、ヘッズの憧れともいえるでしょう。

最も注目を浴びたのは2021年UMB GRAND CHAMPION SHIP準決勝の早雲戦。彼のボディタッチに反応して強く押し返し、バチバチのバトルを演じました

25位:百足/若手最強

少年Aから頂点へ

百足は、いわゆる00世代を代表するラッパーです。若い人の間ではスターといえるのではないでしょうか?

ラッパーとしては、基本的には「なんでもできるタイプ」。韻は踏めるし、フローはできるし、気の利いたことも言えます。

アンサーも返せるし、ステージングも上手です。

その日その日で調子の良い悪いがなく、安定して戦績が残せるのが魅力。

特にトラップビートを得意としており、むずかしいBPMの中でもしっかりとパンチラインを残していきます。筆者もラッパーですが、トラップが本当に苦手で、彼のことを羨ましく思っています。


26位:T-TANGG/MRJALLSTAR優勝

豊洲は今日から俺の街

26位はT-TANGG。

T-TANGGの魅力といえば、とにかく完成度の高いライミング。ネタかどうかなんてどうでもよくなるクオリティで、観客を沸かせます。

  • 豊洲は今日から俺の街
  • クソガキの強化合宿、勝者タング君
  • 8人絞ればwackは消える ロックで飲ませるジャックダニエル
  • ビートの乗り方ゴールド免許

こういったフレージングを覚えている人は多いのではないでしょうか?

一つひとつのライムが独創的で、また基本的に固いのもポイントです。職人気質なライミングに魅せられたヘッズは少なくありません。

割とコワモテの部類に入り、威嚇的な態度をとったりすることも。また基本的に口が悪く、「何もわかってねぇな老害」などと罵ったりします。

現在は彫り師もやっているとのこと。

MRJという大会との相性がよく、エピソード1と2改で優勝をかざっています。

27位:ミメイ/戦極MC BATTLE28章優勝

今日のチャンプ目に焼き付けろ

最近、戦極28章を制したミメイ。

ミメイといえば、アホみたいに完成度の高いライミングと即興力。一瞬で完璧なクオリティの韻を踏み返すスタイルは、対戦相手にもかなり警戒されています。

特に即興力はトップクラスであり、「いつどうやって考えているのか?」と思わせるほどすぐれた力を持っています。

特に上記のScoobyJ戦では、「書いた遺書 解体ショー 破壊対象」という即興3連続子音踏みという神業を見せつけました。

韻だけかといえばそうでもなく、アンサー力があるのも彼の魅力です。そのうえでライミングをしているので、会話として成立しているクオリティの高いバトルを作り出します。

ちなみにももクロの有安杏果のファンであること。彼女のグループ卒業発表日がミメイの出演するイベントと重なってしまい、号泣して周囲を困惑させたとのことです。

28位:Scooby J/戦極Rhymers High2優勝

思想と哲学の二丁拳銃

28位はScooby J。あまりにも恵まれたしがれた声質と、独特のリリカルセンスが持ち味です。たとえば以下のようなパンチラインを覚えている人は多いでしょう。

  • 時計が処刑の時刻を指す
  • 思想と哲学の二丁拳銃
  • ぶっちゃけマイクチェックから格が違ぇ
  • 弾いた引き金、ざまあみやがれ
  • あいにくブラックなシューベルト、風営法に中指の重低音

個人的に「思想と哲学の二丁拳銃」は最高のパンチラインです。何を食べて育てばこんな単語が出てくるのか…

また声質に関してはおそらく現在のシーンでも1、2を争うほど恵まれています。酒焼けなのか、タバコ焼けなのかわからないダーティーでノイジーな声だけでも一流です。

イケイケな見た目とは裏腹に謙虚かつおとなしい人物。ヘッズに握手を求められると「こんな僕でいいんですか…?」と言ったりするそうです。もう少し自己肯定感が高くてもよいような…

ニートtokyoの動画では、孤独だった時期のことを語っています。大学に入っても友達が出来ず、バイト代でミスタードーナツを買い、鴨川でヒップホップを聴きながら過ごす、という経験があるそうです。か、かなしい…

29位:じょう/全試合先攻で高校生ラップ選手権制覇

川崎ゴミクズしょんべんたらし

29位はじょう。個人的にやや過小評価されているような気がするのですが、彼は高校生ラップ選手権で全試合先攻を選びながら優勝するという偉業を達成したラッパーです。

ちなみに高校生ラップ選手権には先攻側にビートや小説数の選択権がないため、純粋に不利なだけです。

じょうといえば「嫌われても一向に構いませんが?」という攻撃的なスタイルと安定したライム、そして本人独特のフローが持ち味。

特にライムの威力が高く、「川崎ゴミクズしょんべんたらし」だとか「その称号は豚に真珠」といったフレーズを覚えている人は多いのではないでしょうか?

へそまがりな部分も含めて、非常にかっこいいラッパーの一人です。

30位:GIL/戦極17章優勝

嬉し泣きにはまだ早ぇぞ

最後に紹介するのは、福島のエースとされるGIL。UMB2013ではR-指定と当たっており、その動画を見たことがある人は多いでしょう。

GILはとにかく渋いラッパーで、カッコイイ言葉のチョイスと男らしいスタイルが魅力です

スキルも高く、むずかしいビートでもしっかり乗りこなし、また即興でのアンサー力にもすぐれています。

2017年、戦極17章に登場して優勝。MU-TONや呂布カルマといった強豪を破っての結果でした。

UMBでは優秀な成績をおさめているものの、R-指定と同じ時代に全盛期を迎えていたのがキツいところでした。

最近のUMBには絶対的優勝候補がおらず、2024年あたりに優勝するかもしれません。黄猿あたりがライバルとなりそうです。

関連記事:福島レペゼン、郡山のエース、GILについて

まとめ:ラッパーたちが抱えているもの

ここまで解説した中で気づいた人も多いかもしれませんが、ラッパーには意外と何らかの精神的、発達的な障害を抱えているケースが多いのがわかるでしょう。

MU-TONはADHDであることをほぼカミングアウトし、R-指定もADHDであることを示唆しています。

晋平太は双極性障害をわずらい、上記にはありませんがGOMESSは自閉症であることを最初から公表。キラキラしたステージで輝いているように見えるかもしれませんが、決して軽くない何かを抱えながら活動している人も多いわけです。

またイメージどおりではありますが、育った環境がどうひいきしても恵まれないケースも多々あります。特に親父が犯罪者であるGADOROや、中卒で働きながら家にお金を入れていた烈固あたりに関しては、何かを感じざるを得ません。

HIP-HOPは持たざるものが(あるいは、余計なものを持っているものが)力を持つ音楽・カルチャーだと言われています。それを体現するかのようにステージ上で輝いているラッパーたちは、とてもかっこいい存在だと言えるでしょう。


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