MCバトル界隈で注目を集めるScooby J。
ハスキーボイスとカッコイイ言葉選び、しっかりとしたリズム感。
そして謙虚な人柄であることからも人気を集めています。
彼のことをもっと知りたいと思っている人も多いのではでしょうか?
本記事では以下について解説します。
- ラッパー・Scooby Jの基本情報やプロフィール
- バトルMCとしてのScooby Jについて
- Scooby Jのベストバウト
- 音源について
筆者はScooby Jと同じく関西圏でラッパーとして活動しています。
だからラッパー同士でしか知り得ないことも、たくさん知っています。
普通は聞けないウラの情報も公開するので、ぜひ参考にしてください。
ラッパー・Scooby Jの基本情報!年齢や大学・身長は?
まずはScooby J(読み方:スクービージェイ)のプロフィールを見てみましょう。
- 生年月日:1995年(2022年時点で27歳)
- レペゼン:大阪府枚方市
- 好きなアーティスト:calimshot、メシアTHEフライ
- 身長:不明
Scooby Jこれまでの経歴。生い立ちは?
Scooby Jのこれまでの経歴振り返ってみましょう。
Scooby Jが表舞台に出てきたのはUMB2017年(DOTAMA優勝の年)。
この年にベスト8という成績を残したことで注目されるようになりました。
その後は戦極MCBATTLEやSPOTLIGHTなどの主要大会で活躍。
さらにはUMB2020にも出場し、音源制作にも積極的に取り組んでいます。
今やすっかりシーンの中心を担う一人として定着しました。
生い立ちについては、父親が教師として働く家庭で生まれます。
「先生の子供に生まれた」というのが意外に感じた人も多いのではないでしょうか?
父親が50centやJay-ZをBGMでかけており、本人もそこからHIIP HOPへと興味を持つようになりました。
後ほど解説しますがScooby Jは、意外にもシャイでおとなしい性格の持ち主。
だから中学高校は少し孤独だったようで、一人ぼっちで鴨川にてミスタードーナツを食べながら黄昏れる、みたいな経験もあったそうです。
大学へ行っているかどうかは微妙なところ。
ただし筆者が話を聞く限りでは、どうやら大阪府枚方市近辺の教育系の大学を卒業しているとのことです。
Scooby Jの名前は「スクービー・ドゥー」から
Scooby Jの名前の由来は、本人が米国のアニメ「スクービー・ドゥー」が好きだったことに由来します。
そして「J」の部分は本名のイニシャルからとってきたとのこと。
Jから始まる苗字はかなり少ないので(城之内、城島くらい)、おそらく下の名前がJから始まるのでしょう。
ジュンペイ・ジュンイチといった名前かもしれません。
Scooby JのInstagram・Twitter
Scooby JはInstagramとTwitterのアカウントを公開しています。
- Instagram:scoobyj_hrkt
- Twitter:info_scooby
Scooby Jが影響を受けたラッパー・アーティスト
Scooby Jは、影響を受けたラッパー・アーティストとして以下3名を挙げています。
- calimshot
- RUMI
- メシアTHEフライ
メシアTHEフライについては相当なリスペクトを持っているようで、本人は「言葉のセンスがヤバい」と述べています。
フィメールのRUMIについては、世の中に対して一石を投じるスタンスや、ドスの効いたものの言い方に惹かれたとのこと。
もっとも伝えたいのはScooby Jの謙虚で礼儀正しい人間性
筆者がもっとも伝えたいScooby Jの謙虚でシャイ、そして礼儀正しい人間性です。
どのような雰囲気なのか、下記の動画を見てみましょう。
ストリートテイストな見た目と、ステージ上の振る舞いとは打って変わり、真面目で礼儀正しい人物であることがよくわかります。
むしろ言葉遣いは、一般人よりもキレイかもしれません。
バトルMCとしてのScooby Jの魅力
Scooby Jは音源も間違いありませんが、どちらかというとMCバトルで有名なラッパーです。
今回はScooby Jのバトルスタイルやベストバウトを解説します。
Scooby Jのバトルスタイルにおける4つの特徴
Scooby Jのバトルスタイルは、一言で言うと渋くてワードセンスがあって、声がかっこいいし上手いし、とにかくめちゃくちゃアガれます。
その魅力をもっと細かく分析すると、
- 勝つために戦わない
- 極上のリリカルセンス
- ハスキーボイスとリズム感の良さ
- ゆるく踏むのが特徴
といったところです。
それぞれの魅力について、もっと深く解説します。
勝つために戦わない
Scooby Jの信条として、「バトルで勝つために戦わない」というのがあります。
これはバトルに出ているMCの中では、かなり珍しい考え方です(SKJが近いことを言っていましたが)。
本人曰く、「相手を倒すより、自分がやりたいこと、言いたい思いをぶつけることが最優先」とのことです。
Scooby Jは他のラッパーにも強いリスペクトを持っているMCなので、やはりDISり倒したいとは思っていませんし、勝ちたいとも思っていません。
自分がかっこいいことをやった結果、勝ち負けが後からつい来ているだけです。
やりたいことだけやってUMBや戦極のベスト8まで行ったりするのは恐ろしいことですが。
極上のワード・リリカルセンス
Scooby J最大の魅力といえば、やはり極上のワード・リリカルセンスです。
筆者も同じラッパーとしてどうすればそんなDeepでDopeなこと言えるのか不思議でたまりません。
ざっと思いつく中でも、彼のリリカルセンスを見出せるパンチラインが頭をよぎりました。
- 「思想と哲学の二丁拳銃」
- 「あんた屍、ざまあみやがれ!」
- 「耳超えたヘッズを唸らす裏メニュー」
- 「血みどろ、持ち込むな友情ごっこ、刺激する鼓膜のGスポット」
- 「生憎ブラックなシューベルト 風営法に中指の重低音」
誰も思い付かないような、それでいて格好良くてキザで、ダーティーな雰囲気も持ち合わせるラインを量産。
文章にしてもいまいち伝わらないかもしれないので、ぜひScooby JのMCバトル動画を見てください。
前後の文脈を理解しながら聞けば、彼がどれだけかっこいいことを言っているかわかるはずです。
ハスキーボイスとリズム感の良さ
スキル面で言えば、ハスキーボイスがScooby Jの魅力、これだけ声質に恵まれているMCもそうそういません。
この声ならだいたい何を言っても格好いいのですが、しかも言うことがイケてるので最高です。
大声でがなるときは勢いがあってたまりません。
ゆるく踏むのが特徴
Scooby Jは、タイトな韻よりもゆるく踏むようにしている様子です。
つまり「ちょっと踏めてないけど踏めているように聞こえる(韻マン基準)」という具合。
踏み方がゆるくなると、より多くの言葉で踏めるようになり、独創的な表現ができるようになります。
これはあとで解説する動画を見ればよくわかるはずです。
Scooby Jのベストバウト
Scooby Jのベストバウトは、大きく分けて4つあります。
- UMB2017 GRAND CHAMPION SHIP Scooby J VS 我治郎MIC
- 戦極MCBATTLE第20章:Scooby J VS TKda黒ぶち
- 凱旋MC BATTLExCOREfestival Scooby J VS ミメイ
- 戦極RHYMERS HIGH(2019年) Scooby J VS 韻マン
Scooby Jのバトルはどれもアホみたいに評価が高いので、選定にはかなり悩みました。
たださらに厳選するなら、上記4つに絞れると思います。
本当にScooby Jの調子がよい時だけをピックアップしたので、相当やばいはずです。
UMB2017 GRAND CHAMPION SHIP Scooby J VS 我治郎MIC
時計が処刑の地獄を刺す
Scooby Jがハネるきっかけになったのは、UMB2017、我次郎MICとの試合でした。
相手はある意味で一番めんどくさそうな我次郎MIC。
ただ、スキルとリリカルセンスは圧倒的にScooby Jのほうが上で、なんというかギャグラップにひっくり返されることなく圧勝しました。
この頃は割と硬めに韻を踏んで、フローよりも内容を重視するスタイルです。
またこの頃は「やりたいことをやる」というよりは、シンプルに「相手をやっつける」という意気込みが感じられます。
「かっこいいことをやる、勝ち負けは後」な現在のScooby Jも格好いいですが、ハングリーな彼もいいですね。
このバトルで一番かっこいいのは、「時計が処刑の地獄を刺す」と言いながら時計回りの人差し指を一回転。
最後は中指を立てる仕草。
この動作がアホほどイケていて、多くのヘッズがブチ上がりました。
以後も彼はかっこいい手遊びで会場を沸かせています。
このバトルで注目された結果、彼は大きな大会にもどんどんと呼ばれるようになります。
戦極MCBATTLE第20章:Scooby J VS TKda黒ぶち
思想と哲学の二丁拳銃
ふたつ目のベストバウトは戦極20章、TKda黒ぶちとのバトル。
たぶんこの日のScooby Jの調子は最高で、頭は回っているし声もしっかり出ていました。
TKda黒ぶちが「俺は銃弾をイナバウアーで避ける」といったら「ステージでのけぞった時点で負け確定だろ」という筋の通ったアンサー。
「あんたは屍、ざまあみやがれ」などのラインも炸裂。
そして最後の最後でブチ込んできた「思想と哲学の二丁拳銃、ラッパー鉛筆としのぎを削る」というのが、今文章を書きながらでも鳥肌が立って恐ろしくカッコイイ。
さらにこのとき、Scooby J独特のハンドサインもついてきて、どうしようもなくシビれる一瞬を演出しました。
これはぜひ動画を見てチェックしてもらいたいところです。
凱旋MC BATTLExCOREfestival
ブラック無糖Mother Fxxker
このバトルは、対戦相手のミメイも鬼のように調子が良かった日です。
Scooby J「振ったサイコロの目が1、最強の日の丸」「リリックでできたペンだこ、今日の優勝俺しかいねえだろ」など、イカしているワードチョイスを披露。
ミメイはミメイで何言われても、「ペンだこ→ペンタゴン」「愛してるぜ→ジャッジメントデイ」などときっちり返し、一進一退の攻防が続いていました。
そしてScooby Jの発した「(ミメイ)はアイドルラッパー」のフレーズからライミング合戦が勃発。
これをミメイは「アイドル気取り? よくお似合い敗北の2文字」で踏み返し、Scooby Jはまた「迷子の子羊」で言い返します。
お互い気持ちが乗って熱くなっており、Scooby Jも「今日は参加者31人を公開処刑(o-a-i-o-e)、Scooby Jに負けたと遺書にそう書いとけ(o-a-i-o-e)」と、かなり攻撃的な単語を並べます。
しかしミメイが「俺が書いた遺書、解体ショー、31人が破壊対象」と、母音ではなく「かいたいしょ」という子音で3回踏んで意味を通すという、トチ狂ったライミングを披露。
これが決定打となってミメイが勝利しました。
ただしScooby Jのパフォーマンスも半端ないので、シンプルに見応えのある一戦です。
戦極RHYMERS HIGH(2019年)
ハット被らずとも次元大介
この試合も非常に格好いい試合でした。
- 「ブラックを凌駕する生粋のイエロー」
- 「HIPHOPイカした一刀流」
- 「バトルは韻の踏み合いじゃねえ、受け取れ釣りはいらねえ」
など、Scooby Jはかっこいいラインを連発。
そしてなんと言っても一番ブチ上がったのが、「教えるライムの人間関係、ハット被らずとも次元大介 BANG!」というイカれたワーディング。
これがクリーンヒットした結果、「ライマーズハイでライマーの頂点に君臨する韻マンを倒す」という偉業を成し遂げました。
Scooby Jの音源リリース
Scooby JはMCバトルのほうで注目されがちですが、音源のほうもかなりイケています。
どちらかというとネガティブでダウナーな曲調が特徴。
「メンタル大丈夫?」と心配したくもなりますが、Scooby Jの新しいというか、本質が見えてくるようでとても新鮮な気持ちになります。
まとめ
本記事ではScooby Jのプロフィールやバトル、音源について解説しました。
筆者も本記事を書きながら、やっぱりカッコイイなと思いました。
思想と哲学に二丁拳銃とか、もう何も言えません。
筆者もラッパーですが、Scooby Jとバトルする場合、勝てる気がしませんでした。
あんまりこういうことは言いたくありませんが、今はMCバトルもアイドルラッパーが続々出てくる時代です。
その中で純粋にHIP HOPとしてのかっこよさを貫くScooby Jは、本当におすすめのプレイヤー。
ぜひ彼のことをチェックしてもらえればと思います。