日本語レゲエの一大スター、CHEHONの魅力について

近年はMCバトルにおいて、次々とレゲエのレジェンドdeejayが出場するようになりました。POWER WAVEやAPOLLO、そしてMIGHT JAM ROCKのJUMBO MARCHに至ってはフリースタイルダンジョンのモンスターを務めるまでに。

そして近年、大阪のレジェンドであるCHEHONが、戦極や凱旋などのMCバトル大会で大活躍。彼の姿を見て「レゲエってすごいんだな!」と気付かされた人も多いのではないでしょうか?

そこで本記事ではCHEHONについて以下を解説します。

  • 年齢やプロフィール
  • 今までの楽曲
  • 家族や奥さんのこと
  • ジャマイカに行って廃墟で暮らしていたときのこと

CHEHONに興味が湧いた人はぜひ参考にしてください。


 

目次

レゲエdeejay・CHEHONの基本情報

  • 年齢:37歳(2022年5月31日現在)
  • 生年月日:1984年8月4日
  • 本名:李宰洪(日本名:米田 洪二)
  • 身長:非公開
  • 血液型:A型
  • レペゼン:大阪府生野区鶴橋
  • 所属:個人
  • レーベル:Sony Music

CHEHONは韓国籍、おそらく在日韓国人2世に該当します。生粋の日本人だと思っていた人も多いのではないでしょうか?

ちなみに大阪の鶴橋は、在日韓国人が多く住んでいる町で、いわゆるコリアンタウンと呼ばれる場所です。またレゲエ文化とHIPHOP文化がクロスしている場所でもあり、ここをレペゼンするMCやdeejayはたくさんいいます。

CHEHONのこれまでの生い立ちと経歴

CHEHONは10代の頃からレゲエに興味を持ち始めました。クラブを出入りしているときに、レゲエのナンバーを流すDJブースを目撃。その瞬間にとんでもない衝撃を受けて、「自身もレゲエでやっていこう」と考えるように。

2002年ごろ、つまり17歳〜18歳あたりから活動開始。駆け出しのころはまったくお金がなく、実家で働きながら音楽活動を続けていました。

このころはかなりアクティブというかイケイケで、クラブで出会った女の子をひっかけたり、ちょっとケンカをしたり、ということがあった様子(不良というほどでもないのでしょうが)。

しかし音楽活動にもしっかりと力を入れ積極的にライブ、デモCDを配布するなど努力の跡が見られます。さらにキセル乗車で新幹線へ乗り込み、無理矢理東京のイベントに出演するなど、かなり無茶苦茶なことをやっていた様子です。

おそらく大阪から新大阪のチケットを買い、品川駅で誰かに品川ー東京間のチケットを渡してもらっていたのでしょう。ただし彼が若いころはまだ新幹線のセキュリティも甘かったので、通用したやり方です。

2006年にあの「みどり」を発表して全国流通デビュー、その後【「チェホンのファーストアルバム」という名のアルバム】をリリース。インディーズアルバムランキングで27位にランクインしています。

2008年BMG JAPANからメジャーデビュー。日本のレゲエシーンはかなり限定的な背景であり、商業的成功には大きなハードルが。その中でメジャーデビューを勝ち取ることは偉大なことです。

2010年にはレゲエの発祥地ジャマイカに武者修行へ。ここでは劣悪な環境で生活しながらライブの経験を積みました。この点については後ほど詳しく解説します。

2012年、日本に帰国してアルバム「Seaview Garden」を発表、ジャマイカと日本をつなぎとなるこの曲は大きな注目と高い評価集めました。

2017年にはCOMBAT DEEJAY CLASH THE ULTIMATE REGGAE DEEJAに出場。レゲエのビッグネームRUEEDとのドリームマッチを実現させました。ちなみにRUEEDの本名は窪塚亮介、窪塚洋介の弟に当たります。

フリースタイルダンジョンにて「レゲエVSHIPHOP」のテーマでのバトルがあった際、もちろんCHEHONに声がかかりました。その際にはACEや崇勲、そしてあろうことか現役最強呂布カルマまで破ります。

このまま四戦目(たぶんFORK)となりそうなところ、「ここで辞める」と発言。無敗のままフリースタイルダンジョンから去りました。

THE FIRST TAKEにも登場:韻波句徒(インパクト)への思い

CHEHONは一発撮りのYouTubeチャンネル、THE FIRST TAKEに登場。自らにおける最大のヒットである韻波句徒(インパクト)を歌唱しました。

CHEHON本人が初めてレゲエに触れたときの衝撃を歌ったナンバー。「同様にインパクトを受けて、レゲエやHIPHOPに目覚める人が出て来れば嬉しい」と語ります。

この動画は2022年6月時点で600万回以上再生、メガヒットとなっています。

CHEHONのInstagramとTwitterなど

CHEHONは以下のようにSNSやチャンネルを運用しています。

公式YouTubeでは大量のMVが上がっています。いずれも数万回から百数万回再生されており、人気の高さが伺えます。

CHEHONの奥さんとプロポーズについて

CHEHONは2017年8月17日のバースデーイベントにて、当時交際していた彼女をステージ上に連れてきてプロポーズするという、めちゃくちゃハートフルなことやっています(おそらく本人がこの話を蒸し返されたら照れ臭くする)。

このときは「Will You Marry Me」を歌い上げてプロポーズして見事OKをもらいました。これだけ感動的な求婚をしてNOという女性はいないでしょう。

ちなみにCHEHONの奥さんは一般人であるため、ほとんどメディアには登場しません。そっとしておいてあげましょう。

CHEHONに関するその他の隠された情報

ここまではCHEHONの基本的なプロフィールや経歴について解説しました。もう少し裏が取れている範囲で、彼の隠された情報やほとんど知られていないエピソードについて解説します。

  • 家族について
  • 中学生〜高校生あたりでの活動内容
  • タトゥーの柄と入れた同期について
  • ジャマイカでの修行

ディープな話を知りたい人はぜひ読んでみてください。

家族について

両親は韓国人。出身地の鶴橋がコリアンタウンであることを考えれば、おそらくCHEHONは在日韓国人2世にあたります。また3歳年上の兄と姉がおり、CHEHONは末っ子に当たるというわけですね。

実家は大阪府生野区の鶴橋商店街に入っているキムチ屋さん、丸金商店。現在もCHEHONの母親とお姉さんが堂々と切り盛りしているお店です。

中学生〜高校生あたりでの活動について

CHEHONがレゲエをやるんだと決意したのは17歳前後のこと。しかし中学生あたりからレゲエやパンクロックを聴くようになり、なんとバンドマンとして活動していた時期もあります。

高校生になってからはナイトクラブに出入りするように。そこからバンドマンというよりはレゲエの方向に傾倒していきます。

タトゥーについて

CHEHONは右腕にタトゥーを入れています。デザインは緑色のドラゴン。それとは別に「ネズミ」も掘られています。これ同郷で故人であるTERRY THE AKI-96にリスペクトを送る意味で掘られました。

かつてCHEHONは、タトゥーについて興味がなかったとのこと。しかし宮蔵というタトゥースタジオの作品を見て感銘を受けて、「自分も入れよう」と考えるにいたった様子です。

ジャマイカでの修行について

ジャマイカでの修行は、想像を絶するほど過酷な日々をしていました。これはCHEHONに関連づいたエピソードの中で一番ぶっ飛んでます。

なんとホテルを借りず、現地で自力で家を建設するというネイチャーな生活を体験。さらに食事はほとんど自給自足。その中でアルバムを作るというめちゃくちゃな体験をしています。

家を建てる経緯について解説します。ジャマイカ入国後、まず知人と合流。その知人が廃墟を勝手に改造して住み込んでいた様子です。そこに転がりこんだうえ、さらには自分の部屋を作るためまた無許可で増築したとのことで、一般人が理解できる行動の範疇を完全に逸脱しています。

しかも部屋は木造りだとか半端なものではなく、ちゃんとコンクリートをこねて固めた本格的なものだったとのこと。その後はなぜか空き地でライブをやったりします。

そしてジャマイカのシービューガーデン地区、いわゆるゲットーの住民と交流。同じレゲエという共通点もあり、CHEHONは住民と仲良くなりました。しかし同地区は非常に危険な場所で、なんと友人が銃殺されるなどの出来事も。

しかし過酷なシービューガーデン地区を息抜き、無事日本に帰国。その後の活躍につなげていきます。


レゲエdeejay・CHEHONの音源について

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CHEHONの音源は、もっともジャパレゲらしいレゲエというか、もう完璧な出来栄え。ジャンルで言うとダンスホールレゲエで間違いありませんが、ジャマイカ流のグルーヴやフレージングも入っていて、中身が深いのが特徴です。

声質がよくて圧力があり、自分の出自やリアルな経験を反映したテーマが特徴。感情をしっかりと乗せたリリックで、考えさせられ、背中を押してくれるようなパワーを秘めています。そしてレゲエ特有の心地よさ、楽しさ、ハートフルな印象を殺さずに表現し、とにかく言うことがありません。

レゲエといえばガナリ声ではありますが、CHEHONはもともと持っている性質からうまくガナれらないらしく、クリーントーンで歌っています。

音源としては以下が有名でしょう。

<みどり>

一番有名なのは「みどり」。

女性に対するラブソング…と見せかけて、「大麻を讃美するガンジャソング」です。

「みどり」とは大麻のことを表すスラングで、「愛した女の名前は”みどり” いつの間にかこいつの虜に」ということを歌っています。

そしてレゲエらしく、陽気でハッピーな曲調が魅力的。

<韻波句徒>

THE FIRST TAKEで歌われたことにより、一気に注目を集めることとなった楽曲。

CHEHONにとっても特別な一曲です。

THE FIRST TAKEのほうで一度聞いたことがある人は原曲も聴いてみましょう。

<チャレンジャー>

関連記事:R-指定越え?ラッパーAuthorityのプロフィールや音源を解説


レゲエdeejay・CHEHONのバトルについて

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CHEHONは最近になって、レゲエではなくHIP-HOPの現場、特にMCバトルへ出場することが増えてきました。

すでに戦極MC Battleなどで、彼の活躍をチェックした人も多いでしょう。

今回はバトルMCとしてのCHEHONについて解説します。

CHEHONのバトルスタイル

CHEHONのスタイルは、レゲエを軸に残しつつ、ちゃんとフリースタイルにも適合させる新しいやり方です。

即興でしっかりアンサーも返すし韻は踏むし、声はバチバチに格好いい、ヘタなことも言わないので崩れづらく、普通に強い。

またレゲエdeejayということで、仕込んだラインを使っても非難されないのがポイント。レゲエにおけるMCバトルであるdeejayクラッシュは、お互いにネタを仕込んで、その良し悪しで決着をつけるのが基本です。

だからレゲエdeejayであるCHEHONがラインや韻を仕込もうが、それはレゲエのやり方を通しているだけ。フリースタイルというルールの中でフリーにやった結果でしかないわけです。

よって話の筋が通っていて、おさまりのよいフリースタイルラップが完成します。それからプロップスはたっぷりと積み上げてきているので、観客を味方につけやすいのも特徴です。

CHENONのベストバウト

すでに相当な回数、バトルに出場しているCHEHON。

中でも以下3つはかなりアツいバトルです。

  • 渋谷レゲエ祭VS真アドレナリン CHEHON VS ベル
  • 真アドレナリン GOMESS VS CHEHON
  • 戦極MCBATTLE CHEHON VS ミメイ

それぞれのベストバウトついて詳しく解説するので、参考にしてください。

渋谷レゲエ祭VS真アドレナリン CHEHON VS ベル

「お前は不良になられへんかったヘタレやろが」

「怖っ…」となるバトル。お互いが「やるかやられるか」「沈めるか沈めないか」と具体的に危害を加える話をしていて、

  • 「アンサー返せコラ」
  • 「かかってこいやアホンダラ!」
  • 「沈めるぞコラ!」
  • 「沈めてみろ!!」
  • 「上等じゃバチバチやったらあ!」

と、ずっと物騒な話が続いています。最初はCHEHONが気持ちよくラガなフロウをかましていたのですが、2バース目あたりからガチでブチ切れて思い切り喧嘩腰に。

ベルがやたらと「俺は不良がどうこう」という話をするので、CHEHONは以下のようにアンサーしました。

不良をやりたかったら不良の世界行ってこい!!

お前は不良の世界で一軍になれんかったから諦めて音楽の世界に出てきたヘタレやろうが!!

これはもう完全な正論で、不良と語るにも関わらず、不良の世界ではなくMCバトルに出場しているベルの矛盾を鋭く指摘しています。

真アドレナリン GOMESS VS CHEHON

「偉そうなこと言いたかったら上まで這い上がれボケ!」

ガッツリとレゲエのヤバさを伝えてくれたベストバウト。

ここで一番カッコよかったのは、レゲエ出身なのに即興でガッツリアンサーを返していること。

「お前は甘すぎる、この世の中は弱肉強食、キャリアが上の奴が偉そうなこと言える、お前も偉そうなことを言いたかったら上まで這い上がれボケ!」というド正論をブチかまし、ヘッズを狂喜乱舞させました。

ただこの試合ではけっこう噛んだり、存在しない5本目に入ったりと、けっこうフリースタイルのむずかしさに苦しんだりしていました。しかしレゲエの魅力がたっぷり見せつけ、さらには即興性も見せたCHEHONに軍配が上がります。

CHEHONは前半に仕込みを用いたレゲエのやり方で引きつけ、後半は地頭のよさで即興でアンサーしてぶちかましてくれます。レゲエの良さもHIPHOPの面白さも感じさせてくれるので、とても見ていて楽しいです。

戦極 CHEHON VS ミメイ

最近の戦極MC BATTLEでも、相当盛り上がったバトル。CHEHONは開幕から持ち曲からガッツリとサンプリングしてレゲエのやり方を通してきます。

本番は2バース目で、CHEHONをサンプリングした「対戦相手の曲パクるのは一番ダサい!」とDIS。そして、そのあと以下のように歌いました。

そもそも前から思っててん! 人の曲はサンプリングで認められてて、俺は自分の歌歌ったらネタ、おかしない?

人のものパクってる奴と、自分で勝負してる奴、どっちが格好いい?

このあとミメイが「お前ネタ飛ばしてるじゃん!」などというカウンターも受けていましたが、上記がど正論すぎて、そのままCHEHONが勝ちました。

やはりCHEHONは言うことに筋が通っており、そのとおりだと認めざるを得ないことばかりを言います。


まとめ

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日本のレゲエ界を背負って立つCHEHON。

「みどり」をはじめとした名曲を数々発表し、DeeJayクラッシュでも大活躍。

最近ではMCバトルでも実力を見せつけて、その知名度をグッと高めています。

レゲエでもHIP-HOPでも大活躍するCHEHON.

さらにTHE FIRST TAKEでも注目を集めており、今後はさらにメディアでその姿を見られるでしょう。

関連記事:レジェンドバトルMC、チプルソとは?プロフィールや生い立ちを解説

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