UMB2020で、念願の全国制覇を果たした早雲。
男らしく無骨な彼のラップスタイルに興味を持っている人も多いのではないでしょうか?
本記事では、早雲の知られざるプロフィールや年齢、学歴などについて解説します。
また以下の気になるトピックにも注目。
- 黄猿と少し険悪な雰囲気になったあとのこと
- ベルと揉め事になったかどうかの真相
早雲のことが気になる人はぜひ参考にしてください。
早雲というラッパーとは?プロフィールや年齢・学歴を解説
早雲の基本的なプロフィールを、まずは紹介します。
- 年齢:32歳〜33歳(2022年時点)
- 本名:非公開
- 身長:175cm前後?(168cmのR-指定と並んだ時の印象から逆算)
- レペゼン:京都
- 主なタイトル:UMB2012ベスト4、UMB2015ベスト4、UMB2019準優勝、UMB2020年
- 所属:W.B.T.C、ZEROーgravity
なんと言っても早雲は2020年UMBのチャンピオンです。
レペゼンは京都で、地元と仲間とともにクルーを組み、音楽活動を続けています。
早雲の経歴(UMB初出場〜優勝まで)
早雲はベテランのプレイヤーで、確認できる限り2011年からUMBに出場しています。
ただそれ以前にラッパーとして活動は始めていただろうから、もう15年や20年はラップを続けているのではないでしょうか?
早雲もまたMCバトルで名前を挙げた一人です。
まだラップバトルが一般に浸透していない頃から活躍しています。
彼の長い歴史は、UMBでの戦歴を見れば理解しやすいでしょう。
なんと初めてUMBに出場したのは2012年!
今から10年前の大会、まだ500人キャパの会場でやっていた時代です。
早雲はベスト4という成績を残しました。
ちなみに最後の相手は、この年2連覇を飾るR-指定です。
2015年にもUMBに出場。
NAIKA MC(当時は黄金期だった)をはじめとした強敵をぶっ倒しベスト4まで進出。
しかしCHICO CARITOの勢いに飲まれてしまい敗北。
2019年にはMAKA、SHAMOなどの強敵を打ち倒し、自身初の決勝へ。
しかしそこに立ちはだかったのが例のAuthority。
延長になる死闘を演じた結果僅差で敗れます。
ちなみに、UMBで早雲に勝ったMCは、かならず優勝しています。
そして2020年、SNAFKIN、S-kaine、SKRYUのSシリーズをぶっ倒して決勝進出。
決勝でどう考えてもめちゃくちゃかっこいい句潤を破り、初出場から10年、ようやく優勝を勝ち取りました。
それ以後も凱旋や戦極、そして音源活動で活躍。
全国的なプロップスはもちろん、地元京都とお隣滋賀での人気は高く、たいへんな影響力を発揮しています。
なお筆者は滋賀県草津市在住で、彼の名前はよい意味でしょっちゅう聞きます。
早雲という言葉の意味と由来
「早雲」の言葉としての意味は特にありません。
ただ、1400年〜1500年代に活躍した戦国武将に北条早雲という人物います。
相模周辺(現在の神奈川県)を統一し、小田原城の城主を務め、北条一族を一流華族に押し上げた武将として有名です。
もしかしたら北条氏にあやかって、「早雲」という名前を名乗っているのかもしれません。
ちなみにUMB2020で早雲が優勝したときの対戦相手はかつて北条氏が統一した神奈川代表句潤。
ビートや横浜レペゼンのOZROSAURUSの「AREA AREA」でした。
早雲の身長は?
早雲の身長は公表されてませんが、身長175cmだと推定できます。
身長168cmのR-指定と横並びになったとき、早雲のほうが明らかに身長が高いとわかります。
そこからは目算にはなりますが、5cm〜10cmくらいR-指定よりも高い様子です。
もちろん履いている靴の形にもよりますが、女性でもあるまいし、あまりこれを気にする必要はないでしょう。
したがって早雲の身長は175cmではないかと想像できます。
UMB2021 早雲 vs 黄猿の出来事 ブチギレされた?
実は早雲は黄猿からブチギレされたことがあります。
両者はUMB2021で対決。
その中で早雲から「ポンポン」と肩を叩く感じでボディータッチ。
黄猿は「相手から触ってきたし、こっちも触ってよいだろう」ということで、早雲をかなり強く押し返しました。
そして早雲も「殴られたらすぐにカッとなる、ただのイエローモンキー」などとDISるので、そものすごく嫌悪な雰囲気になります。
判定を待つ間は両者詰めより、司会の晋平太が間に入らないといけないほどヒートアップ。
割とトラブルが少ないUMBですが、一触即発、緊張感のあるシーンに会場は騒然としました。
しかし判定の終了後には「UMBは一応、ボディタッチなしとは言っていないからね。握手しよう。俺もT-Pablowには謝ったよ」とコメント。
この後ふたりは握手をし、早雲の方から「ごめんね」と伝えたとのこと。
その場で黄猿も「え!?すごいっすね!?」と、すぐに謝罪した早雲の人柄に驚いています。
のちに黄猿はっきりと「あれはすみませんでした」と伝え、その日のうちにトラブルは解消されました。
ちなみにこの一件については、下記の動画で黄猿本人が解説しています。
ベルとも揉めた?
また早雲については、ベルとも揉めたという噂が聞かれました。
結論から言うと揉めてはいませんが、早雲がベルのことを少し揶揄した事実はあります。
ベルは2021年5月に強盗殺人未遂(のちに傷害罪に変更)で逮捕抑留されました。
その後懲役2年、執行猶予4年の判決を受けています。
ベルがこの事実をツイートした直後、早雲は以下のようにツイート。
いつぞやのバトルで相対した時
「ラッパーとして言葉で闘うことにした」言うてたんちゃうんかい— 早雲 (@ZERO_G_S) September 18, 2021
言葉ではなく拳(凶器かもしれない)で人を傷つけた彼に対して、強烈なメッセージ。
しかしベルのほうから何か言い返したわけでもなく、大した揉め事にはなっていません。
ベテランラッパーが血気盛んな若いラッパーに対して強めのお灸を据えただけの話です。
【2020年全国優勝】早雲はバトルが鬼のように強い!
(引用:YouTube)
早雲はバトルにおいてたくさんの功績を残してきたラッパーです。
もしかしたら今の若いラッパーたちのように、華やかでキラキラしたイメージはないかもしれません。
しかし無骨で完成度の高く、男らしいラップは多くのヘッズから支持されています。
早雲のバトルスタイルの特徴は3つある
鬼のように強い早雲ですが、彼のバトルスタイルには3つの特徴があります。
- 総合的なスキルの高さ
- パンチラインが強烈
- 男が惚れる男らしいアティテュード
最大の特徴は総合的なスキルの高さで、
- ライム
- フロー
- ビートアプローチ
- バイブス
- アンサー
MCバトルで求められるものはすべて揃っています。
特にリズム感がよく、心地いいフローと聞いて違和感をまったく感じさせない乗せ方。
ライムもできるし、アンサーも即興でリリカルに返せるし、対戦相手を圧殺するバイブスまで持ち合わせています。
特に弱点らしい弱点はありません。
そして筆者が思う最大の特徴はパンチラインの威力です。
即興でこれが出てきた時は、会場は早雲を支持する側へと一気に傾きます。
たとえば相手が「俺は地に足つけている」と言ったら「(自身がZero-gravityをレペゼンしていることから)こいつは重力に支配されている」と、意味が通った強烈なパンチを返します。
そして早雲といえば、チャラさや軟弱さがない無骨で男らしいアティテュードが魅力的です。
派手なパフォーマンスはなく、あくまでもスキルと言葉で勝負します。
またリスペクトを素直に伝える気持ちのよい性格で、たとえば16小説2本を選んだ相手には「それを選んだお前は男だぜ」とアンサーしました。
純粋に人格の完成度が高く、ラップ以前に支持したくなる人物です。
早雲のベストバウト
早雲のベストバウトとしては、以下3つが挙げられるでしょう。
- UMB2019 早雲 vs Authority
- UMB2020 早雲 vs 句潤
- ライマーズハイ 早雲 vs ミメイ
それぞれについて詳しく解説するので、参考にしてください。
UMB2019 GRAND CHAMPIONSHIP 早雲 vs Authority
俺に見せろ絶景の眺め
もともと一定の知名度は保っていた早雲ですが、一気にハネるきっかけになったのがUMB2019。
圧倒的な優勝候補だったAuthorityをベテランとして迎え撃つ格好になりました。
早雲は持ち味であるパンチラインを連発しAuthorityは細かい韻とリリカルセンスで対抗。
正直この年のUMBはAuthority優勝の流れでしたが、延長に持ち込まれました。
延長戦では選択権があったにもかかわらず16小説2本を選んでAuthority「16の2、男だぜ」とアンサー。
さらに「体力が尽きてからがB-BOYだろ」「あの日(UMB2012)止まったカレンダーを捲りにきた」と、グラっと来るようなパンチラインを叩き込みます。
しかし「HIP-HOPをZIPロックに入れて持って帰れよ」と言うラインを、Authorityが「バカ、生の方だいいだろ、男だぜ?」と拾われます。
そこでの加点が大きく、早雲は僅差で敗れました。
UMB2020 GRAND CHAMPIONSHIP 早雲 vs 句潤
早雲にとって、そしてヘッズにとって最高のベストバウトといえばやはりUMB2020の決勝。
DOTAMAは2000年代からUMBで優勝したいという意気込みでいましたが、それは早雲も同様、初出場以来10年越しの悲願達成へと挑みました。
この年のUMBは新型コロナウイルス感染症防止につき、判定は声ではなく拍手の音量が参照される、いつもとは違う雰囲気です。
MAKAやSHAMOといったベテランを倒し、決勝へたどり着いた早雲。
相手はまたベテランの句潤、スキルもプロップスも抜群で、最後の相手と呼ぶには相応しいラッパーでした。
試合では、トラックが「AREA AREA」であることを踏まえ、早雲は「約何年経ったろうなんて言わない、昨日のことのように(去年の決勝)を思い出す」叫びます。
そして前回16小節ルールで負けたことを踏まえ、「16小節は克服済みだぜ」とセルフーボースティング。
さらにエントリーしたラッパーに神奈川出身者が3人いたことを踏まえ、「地元でてっぺん決めてこい」と、パンチラインを連発して死闘を繰り広げます。
そしてAuthorityが前回大会で「今までのすべてはこの日のためだ」と言ったことを踏まえ、「今日までの全てはこれまでのためだ」とコール。
しかしこの試合では決着がつかず、延長戦へと発展しました。
最後の決着は、ぜひ動画で見て欲しいと思います。
ライマーズハイ 早雲 vs ミメイ
HIP HOP vs ラップミュージック
UMBの2試合と比較すると、さほどではないですが、上記試合も早雲らしさが全面に出た試合でした。
2019年の大晦日、このタイミングはミメイがInstagramで女性トラブルを起こした直後で、「どんな説教するんだろう」と楽しみなところ。
多分本当にミメイには呆れていたんだろうな、と思わせるようなラインを連発。
- 「こいつはHIP-HOPの趣旨を履き違えてる」
- 「やっぱり最近の若いやつは」
- 「都に上ったお前(上京)と違って俺は京都を都にする」
そしてトドメは「俺とお前の構図はHIP HOP vs ラップミュージック(エセHIPHOP)」と言うラインと、中指を突き立てまくるパフォーマンス。
試合後は睨み合いになり、一触即発の雰囲気。
ミメイにとってはかなり苦々しい試合になったのではないでしょうか?
ラッパー・早雲の音源について
早雲のヤバいところは、とにかく音源もすさまじくすぐれているという点です。
早雲の音源において一番えげつないのが「令和二年夕刻」。
リリースされたのはUMB優勝後、2020年4月。
つまり、世間が新型コロナウイルスの問題からいよいよ逃げられなくなったあのタイミングです。
その背景も踏まえ、政治家の不甲斐なさを指摘し、日本の未来を憂国(夕刻)するリリックになっています。
この曲で面白いのは、とにかくこれ以上ないほどたくさんの言葉遊びやメタファーが使われていることです。
血の通わなくなったシンゾウ 握られたハート トランプのカード
1から並べるyou are a liar 笑顔で手招く13階段
このフレーズだけでも、
- シンゾウ=安倍晋三
- ハート=心臓=安倍晋三
- トランプのカード=ドナルド・トランプの外交カード
- 笑顔で手招く13階段=トランプは1から13
という4つの言葉遊びが入っています。
そのほかにもかっこいいバースが勢揃い。
沈黙が金なら貫けばいい
だがその沈黙は賛同と同義
雄弁に語るシルバーたちに
いいようにされたままほらこの通り
こういう格好いいフレーズがいくらでも出てくるので、ぜひ聞いてみてください。
他にも早雲のリリースには、以下のようなかっこいい作品がたくさんあります。
まとめ
(引用:YouTube)
最近のMCバトルでは、割とチャラチャラした人たちが出てくるようになりました。
また不良ぶって、ほとんど大麻を吸っているだけの人たちが一定数いたりもします。
しかしその中でも早雲は、男らしく実直で、チャラチャラせず筋を通すかっこいいラッパーです。
ぜひ彼のバトルと音源、そして生き様をチェックしましょう。