フリースタイルリーグ発足!どんなリーグになる?

!2022年9月19日、日本武道館でBATTLE SUMMITが開催。RYKEY DADDY DIRTYやZebbra、釈迦坊主、孫GONGなどのビッグネームがバトルトーナメントに参戦しました。

さらに呂布カルマや晋平太など日本最高峰のMC、そしてCHEHONやCORN HEADなのレゲエスターも登場。最終的にはMC BATTLEで現役最強と言われるAuthorityが優勝を果たしました。

そして大会終了後、運営から「フリースタイルリーグ」という新しいイベントが開催されました。

「MCバトルで稼げる時代に」と銘打たれたこのリーグがどんなものか、本記事で詳しく解説します。


目次

フリースタイルリーグとは

(引用:Twitter

フリースタイルリーグがどんなものか、まずは理解しましょう。

フリースタイルリーグとは、MCバトルのプロが出場するリーグのことです。

UMBや戦極MC BATTLEのように、トーナメント形式ではなく、リーグ所属者で対戦カードが組まれます。それに従い。MCバトルが繰り広げられる訳です。

「プロ」リーグというのはつまり、「バトルに出場することで稼げる」ことを意味します。つまりラッパーたちはフリースタイルリーグに出ればお金が発生、さらに勝てば賞金がもらえます。

バトルで稼げる時代へ

我々ヘッズのことは一旦置いておいて、これはラッパーたちにはすごく大切なこと。

MCバトルは一部のトップ層を除いて、バトルに出ても報酬は発生しません。むしろ出場する側がエントリー費用を払わないとステージに立てないわけです。

彼らがラップでお金を稼ぐには、まずお金を払い、MCバトルで勝利して注目され、音源を買ってもらってやっと…という状態でした。うまいこと優勝すれば賞金ももらえます。

しかしMCバトルで毎回よいパフォーマンスが出せるわけでもないし、優勝賞金も数万円程度。これだけで食べるのは夢のまた夢でした。

ハハノシキュウというラッパーも、KAI-YOUというメディアで以下のような考えを示しています。

  • MCバトルでお金を手に入れるなんて無理だ
  • 優勝しないとお金が入らないなんて、僕には壁が高い
  • バトルに出るとお金がもえらるようになったらいいなと思う

もちろんハハノシキュウだけでなく、ほとんどのラッパーが「そんな時代になったらいいな」と思っていたでしょう。

そんな時代が来たのです。

フリースタイルリーグでは、プロスポーツ選手と同じく、出場することでお金がもらえます。もちろん好成績が残せれば賞金が発生。

さらにスポンサー契約やCM出演などのチャンスだって拡大されます。たとえば「バース中に企業名を言うとスポンサー料が発生」といったことがあるかも知れません。

とにかくラッパーは稼げない職業だったのですが、これからは韻ひとつ、パンチライン一本で大金をゲットできる時代が始まります。

開催方式はサッカーのような感じ

フリースタイルリーグは、どうやらサッカーのような方式で開催される模様

何週間(何ヶ月?)かに1回、Vol.1、2と称してリーグ戦を開きます。そして不確定ですが、規定の回数を戦った中でもっとも成績がよかったものを優勝、とするのでしょう。

ちなみにJリーグは1週間に1回一斉に試合をし、全チーム同士が平等に当たるまでこれを繰り返す日程です。

なおサッカーには「カップ戦」があり、これはJリーグ所属チームが一斉に参加するトーナメント。これはこれで優勝タイトルと賞金がもらえます。

もしかしたらフリースタイルリーグでも「カップ戦」が導入されるかも知れません。もっと言えばプロ野球のようにリーグが複数あり、それぞれの優勝者が日本一をかけて最終決戦を…なんて妄想も膨らみます。

フリースタイルリーグを楽しむにはABEMAと専用アプリ

(引用:Twitter

フリースタイルリーグを楽しむには、専用アプリのインストールが必要です。

AppStore版

GooglePlayStore版

アプリ内ではフリースタイルリーグの全試合がチェックできます。

また国内の主要大会である、UMB・KOK・ADRENALINE・戦極・凱旋の情報もすべて確認可能。

全試合が観られるのは相当に魅力的です。

他の大会はABEMAプレミアムでチェックできる

他のMCバトルを見たいなら、ABEMAプレミアムを利用しましょう

フリースタイルリーグ以外の大会、UMBやKOKをはじめとした6団体のトーナメント、そしてフリースタイルダンジョンの全バックナンバーを視聴できます。

今だけ2週間無料お試しで視聴可能。その間であれば、解約してもお金は1円もかかりません

なおこのキャンペーンはいつ終わるかわからないので、早い段階でお試し登録しておきましょう。

フリースタイルリーグ専用アプリにジャッジに参加できる

フリースタイルリーグの面白いところは、視聴者が専用アプリでジャッジに参加できる点です

MCバトルでは、試合が終わったあとに声を上げ、その声量で勝敗が決めるのが通常。それを専用アプリでの投票に置き換えた形です。

なぜこの方法を取ったかというと、おそらく「誤審を防ぐため」。司会が声量を聞いて判断すると、どうしても納得のいかない判定が出てきます(例:UMB2014ベスト8→4 R-指定 VS 呂布カルマ)。

フリースタイルリーグはプロの戦いの場。ちょっとした声量の聞き違いが、ラッパーの収入や生活、音源製作に大きな影響を及ぼします。

正確で公平なジャッジを実施するため、専用アプリによる投票が行われるようになったのでしょう。

チケットを購入できるのは専用アプリ

フリースタイルリーグのチケットは専用アプリで購入できます。他のチケット業者からも購入できますが、これが一番手っ取り早そうです。


FSLVol.1全試合の出場MCと勝敗結果一覧(ネタバレ)

(引用:Twitter

対戦順序 対戦カード
1 ⚪︎CHEHON vs GASHIMA×
2 ビシキマ vs REDWING 引き分け
3 ⚪︎ID VS CHANCE×
4 Rin音 vs Rude-α⚪︎
5 ⚪︎梵頭 vs BASE×
6 ⚪︎CHICO CARLITO vs MU-TON×
7 呂布カルマ vs MOL53 引き分け
8 ×DOTAMA vs 晋平太⚪︎
9 ×Authority vs FORK⚪︎
10 T-Pablow vs R-指定※

Vol.1では、T-Pablow vs R-指定やAuthority vs FORKなど、注目のカードが目白押し

AuthorityとFORKの一戦はFORKの勝ち、あのAuthorityでもなかなか超えられないFORKの壁…

ちなみにフリースタイルリーグはMCバトルの大会としては珍しく引き分けの概念があります。呂布カルマ vs MOL53、ビシキマ vs REDWINGが実際に引き分けで終わっています。

YouTubeでも話題になったT-Pablow vs R-指定ですが、これは1戦目がR-指定勝利。

そしてなぜかT-Pablowの思いつきで延長線となり、これはT-Pablowが勝ったとのこと。つまりR-指定が負けています。

関連記事:R-指定越え?ラッパーAuthorityのプロフィールや音源を解説

フリースタイルリーグ・エキシビジョンマッチ「T-Pablow VS R-指定」

フリースタイルリーグでもっとも注目されたのが、エキシビジョンマッチ。BAD HOPのT-PablowとR-指定が、超久しぶりに復活

そしてこの試合が、魂が震えるほど熱い試合になりました。

リリックを全て書き起こしたので、読みながらバトルをチェックしてみてください。

<T-Pablow>

ようこそ もてなすぜ みてえなこと全く思ってなくて コイツは殺し合い

エキシビジョン R-指定しっかりケリつけよう

上がったな年俸 下がったなHate

変わらないなFriend 変わったのは年号

誰がこのバトルにケチつけようと 平成生まれR-指定ケリつけよう

 

あまりガナることなく、ささやくように「ケリつけよう」とT-Pablow。韻が決まっていて格好いいですね。

 

<R-指定>

ピカソ エスコバル 片手にSURE-58(えすこば) 呂布が赤兎馬(せきとば

蹴り飛ばす敵のバース On Fire 待ってたんだなこんな展開を

お前だって楽曲みたくこんな乗り方聞いてみたいよ

まずは敵に塩 送るわけじゃないが 歴史に残エキシビジョン開催

これが俺のやり方 崎 お前の地元俺がよりもカマすぜ

 

とうとうR-指定が帰ってきました。敵に塩、歴史に残るエキシビジョンという誰が聞いたってブチ上がるライムが炸裂。

 

<T-Pablow> 

ブームに乗っかってるか それともかわいい子みんな

それともみんな乗ってるぜ 朝からXO XOってこれ誰だっけ

言葉 流行り そんなのもやってこう

そうここは川崎 FSR R-指定選べよSML 俺はXL 

ビートに乗っかってるからねぇよ セックスレス

 

まさかのNidra Asassinのサンプリング。

 

<R-指定>

XL 俺のほうがネクストレベル XO XOなんていらない 目クソハナクソ

全部蹴り飛ばすベストバース このやり方お前にちゃんと槍と化す

お前の耳に届けるのは 聞き取りやすいようにやるFree Style

りとりじゃねえんだ言葉遊びそれを超えた次元のやりとり わかるだろ?

こいつは出たとこ勝負、だがDon’t test master 寝た子起こすなよ?

 

「出たとこ勝負だがDo」、「寝た子起こすなよ」という「誰が思いつくねん」というレベルのライムが炸裂。

寝た子を起こすなよというのは、「眠れる獅子である俺を刺激するなよ」といったニュアンスです。

 

<T-Pablow> 

出たとこ勝負 川崎南部さ 俺はさばいてるDope

川崎South Side  いつでも最南端 俺のラップ全てが体験談

他とは違ぇ オタクみたいなラップとは違ぇんだぜ

仲間が埋もれてたら夢がねぇじゃん 差がついたな BAD HOPと梅田サイファー

 

やはりT-Pablowは韻をていねいに踏むのが魅力的ですね。thugいラッパーですが、技術的にはけっこうマニアックなことをしています。

 

<R-指定>

Foo RUSHBALL(ロックフェス) Creepy Nuts出たトリで梅田サイファーをおさえられんのも俺だけ

全部のジャンルの外飛び出して戦ってるの俺らだけ そこのとこちゃんとわからしてやる

もう一回言っとくぞ HipHopの外 Hip Rock Pop全部合わせたジャンルのフェスのトリ任せられんの俺一

こんなやり方だ なんてのはビートの上でさっさと埋めてくもんだな

 

R-指定は絶対に「金に目がくらんでHipHop捨てたんか?」というDisを受ける運命に立たされています。それを「全ジャンルでトリ務められるの俺だけやぞ!」とキレイに言い返すこの強さ。

 

<T-Pablow> 

変なこと言いてぇ訳じゃねぇけどロックフェスに出たRock Starって本当にRockなの? 

格好だけのRockstar 作られたPopstar 本物のHoodstar そして俺がRapstar

わかってるだろ? お互いそう あんたのことは好きだよ 正直認めるよ

けどあの時の俺とは段違い 分かるだろ お前に何も感じない

 

「変なこと言いてぇ訳じゃねけど」と前置きして、フリースタイルリーグに敵を作らないようにする、T-Pablowの大人としての思いやりに感動しました。

ささやくような「そして俺がRapstar」が格好いいですね。

 

<R-指定>

確かに HipHop の女神に選ばれたのお前かも知れねぇ

でもその女神から毎晩Calling 貴方のライムのほうが太くて硬くて気持ちがよいしキーいいところに当たるからとヒィとヒィと言わしてるぜいつもHeat 

こいつは俺のやり方大麻吸わないが 相変わらずグリーン車 やり方なら心得てる

オリコンチャート1位はあいさつ代わりだ バトルじゃなくてOnemanで埋めるさいたまスーパーアリーナ

 

あのR-指定が帰ってきました。「女神から毎晩Calling」からのセルフボースティングと細かい韻の連打。

そして「大麻吸わないが」と「相変わらずグリーン車」は、まず音で踏んで大麻とグリーンで意味を通すトチ狂ったクオリティ。これが「さいたまスーパーアリーナ」まで通じており、もう何というか、鳥肌が止まりません。

まとめ:

会場

本記事ではフリースタイルリーグについて解説しました。

MCバトルが流行り出しておよそ10年ほど。UMBやKOK、戦極などの大きなイベントが開催され、さらにフリースタイルダンジョンのような番組も登場しました。

R-指定や呂布カルマなどがタレントとしても成功し、日本のHIP-HOPシーンは大きく変化しています。

そして今回、プロリーグであるフリースタイルリーグが発足。ブンデスリーガやe-Sportsのように盛り上がっていくかもしれません。

今後もフリースタイルリーグの新しい情報が出てくれば随時更新します。

関連記事:バトルサミット終了! 優勝はAuthority!


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