「ラップに音程はない」、という話を聞いたことはないでしょうか?
もしそうだとすれば、たとえ音間が弱い人でも、カラオケなどで自信を持って歌えますよね。
しかし残念ながら、ラップにも「音程」というものは存在します。だから、「音程を一切意識しなくてもよい」というわけではありません。
とはいえ、ラップというのが、メロディーのある曲よりも歌いやすいのはたしかです。
そこで本記事ではラップの音程に対する考え方や、上手に歌う方法に関して解説します。
近年はHIP HOPのみならず、J-ROCKにもJ-POPにもラップの要素が入ってきました。だから、ラップが歌えるとカラオケで少し目立てるはず。
うまくラップしたい人はぜひ参考にしてください。
ラップの音程はないのはウソ! だが完璧でなくてOK
冒頭でも述べたとおり、ラップに音程がない、というのは誤った解釈です。
そもそも普段の話し声、キーボードの打鍵音、音という音には「音程」というのがあります。ラップも「歌っぽくない」だけで、音であり、音程があるわけですね。
しかし、メロディーのあるJ-POPやJ-ROCKと違って、ラップの音程はある程度適当でもかまいません。なぜなら、ほとんどの人が完璧に音程を取れないからです。
そもそもラップというのは、喋り口調っぽくて、音の粒が細かくて、そして音程の変化が小さい歌い方です。
たとえば普通の曲が「ドーーーシーーソーーー」だったら、ラップは「ドドドレレドドドミド」、ということです。3つの音程だけを当てればよい前者と比較して、ラップで音程を完璧に取ろうとするのが、いかにむずかしいかわかるでしょう。
おそらく完璧に音程を取れるとしたら、その曲を書いた本人だけです。呂布カルマの書いた曲なら、呂布カルマにしか取れません。
つまり「ラップには音程がない」とはいわないまでも、「ラップではそれほど音程を気にする必要がない」とはいえます。要は誰が歌っても似たようなクオリティになるので、音痴の人でも大丈夫、というわけですね。
口ずさめる程度まで覚えているなら、とりあえず形にはなるでしょう。
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ラップを上手に歌う方法とコツ
とはいえ、ある程度音程を掴んだというそれだけでは、少し心配です。
よりラップを上手に歌うために、あるいは「ラッパーっぽく歌う」ために、以下のポイントをおさえましょう。
- 歌詞だけはきちんと覚える
- 全身を使ってリズムをきちんと取る
- 腹式呼吸で声を出す
- はっきりとした滑舌を意識する
- 韻を強調する
これだけ意識していれば、あとはどうにかなります。それぞれ詳しく解説するので参考にしてください。
歌詞だけはきちんと覚える
ラップを歌うにあたって、歌詞(リリック)を正確に覚えるのは大切です。歌詞をきちんと覚えていれば、発声や音程に集中できるから。
そうすれば声がしっかり通り、音程も安定し、聴き心地のよいラップになるでしょう。
また歌詞を覚えようと思うと相当回数は聴き返さないといけないわけで、その間に音程や抑揚なども覚えられるはず。しっかりと聴いて、口ずさんで練習しましょう。
全身を使ってリズムをきちんと取る
全身を使ってリズムを取るのも大切です。手足や頭を動かして、拍を掴めば、自然とリズム感が身につきます。
そうすると小節のズレなどがなくなり、聴き心地のよいラップに仕上げられるでしょう。単純にそうしたほうが楽しい、という点も重要です。
また個人的な体験談になりますが、全身を動かすと声も出やすくなるような感じがします。
ただし体を使ってもリズムを取りづらい曲、というのもあります。
こういった曲はリズムをやや無視した部分が多いです。したがって慣れていないうちは、もう少しシンプルな曲をチョイスしたほうがよいでしょう。
腹式呼吸で声を出す
腹式呼吸も重要なポイントです。これがきちんとできていれば、迫力のある声でラップを歌えるようになります。
また息切れすることがなく、長いフレーズでも一息できちんとラップできます。
さらにサビを強調したり、特に重要なフレーズに感情を込めたり、といったことも自在にできるようになるはず。
腹式呼吸ができているかどうかのポイントは、下腹部、特にへその下あたりが膨らんでいるかどうか。ここをしっかりと膨らませられるように息を吸いましょう。
これを身につけるには、「鼻から息を目一杯吸う▶︎口から全部吐く」というのを、日頃から習慣づけるのがおすすめです。
はっきりとした滑舌を意識する
はっきりとした滑舌を意識すれば、しっかりとしたラップが歌えるようになります。
メロディーのある曲を歌うときよりも、少し「聞こえやすいように歌う」というのを意識しましょう。
滑舌を意識しておかないと、何を歌っているのかわからなくなったり、迫力が感じられなくなったりします。そういった意味でも、歯切れ良く歌うというのがポイントになるわけですね。
滑舌をよくするためには、舌や唇を鍛えるトレーニングが有効なのですが、そこまで突き詰める必要はありません。カラオケで歌うだけであれば、「聞こえやすいように歌う」というのを意識しておけばOKです。
韻を強調する
韻を強調するのは、やや裏技的なテクニックですが、ぜひ試して欲しいところです。なぜなら、たったこれだけで「ラッパーっぽさ」が出てくるからです。
ラップと普通の曲の大きな違いとして、「韻を踏んでいるか踏んでいないか」が挙げられます。そしてほとんどの曲は、「ここで踏みました」と言わんばかりに韻を目立たせるのです。
つまり、韻を強調するだけで、ラップという歌い方の特徴を掴めます。
そして韻は大体小節の最後にあるので、そこを意識すればリズム感も掴みやすくなるでしょう。
関連記事▶︎韻を踏むのがうまいラッパーランキングTOP10
ラップの音程や歌い方に関するよくある質問
本記事ではラップの歌い方に関して解説しました。最後によくある質問に回答します。
- カラオケでラップを歌うのは恥ずかしい?
- どんな曲を歌うのがおすすめ?
- カラオケでラップを歌うのはダサい?
カラオケでラップを歌うのは恥ずかしい?
結論からいうと、そこまで恥ずかしいことではないように思えます。
近年はHIP HOPが流行っていますし、「カラオケで歌いやすい曲」というのもたくさんあります。TikTokで流行っている曲もあるし、特別心配する必要はないでしょう。
ただ、明らかにJ-POPを歌う流れなのに、いきなりラップの曲を入れると恥ずかしい感じになるかもしれません。
どんな曲を歌うのがおすすめ?
とにかくシンプルな曲がよいでしょう。
このあたりは「カラオケで歌ってもらうこと」を前提としているので、歌うのが簡単です。
ちなみにもっとも有名であろうCreepy Nutsの楽曲にははっきりとしたメロディーがあるので、「きちんと音程を取る」ことが求められるので注意してください。
それでも歌いやすい、音程を取りやすい部類はあります。
カラオケでラップを歌うのはダサい?
結論からいうと、ダサくはないでしょう。
ただしいきなり「蜂と蝶」や「禁断の惑星」、「証言」などのゴリゴリのラップを入れると変な空気になるかもしません。
ラップがどうこうではなく、空気を読むのが大切というわけです。
まとめ
本記事ではラップの音程や歌い方に関して解説しました。
さすがに「ラップに音程がない」とまでは言いませんが、しかしある程度アバウトでもかまわない、という敷居の低さはあります。
もちろんしっかりと練習すれば、ラッパーらしさが現れたラップを披露できるでしょう。
本記事を参考に、ぜひラップにチャレンジしてみましょう。