大麻と言えば、「マリファナ(樹脂)や葉巻状にして”吸う”」というのが一般的です。
しかし、大麻を「そのまま食べる」という、おそるべき習慣が存在します。
「なぜそのまま食べる!?」
「食べて何が起こるというのか」
というような疑問を抱えている人も多いでしょう。
たしかに大麻をそのまま食べる意味なんて、想像もつかないはずです。
本記事では大麻を食べることについて、詳しく解説します。
本記事は、日本国内における大麻の所持・栽培・売買などを推奨するものではありません。
日本における大麻の所持・栽培・売買などは、大麻取締法によって厳しく禁止されています。
日本国内において、大麻取締法に抵触するような行為は取らないでください。
大麻をそのまま食べることについて
そもそも、「なんで吸わずに、そのまま食べるんだ」ということに疑問を持っている人も多いでしょう。
まずは大麻を吸うことと比較して、「食べること」に関するポイントについて解説します。
ハイになる?
気になるのは、「大麻をそのまま食べるとハイになるのか?」というところです。
結論から言えば、ハイにはなりません。
なぜならそのまま食べても、ハイになる成分が摂取できないからです。
大麻を吸ってハイになれるのは、「THC(テトラヒドロカンナビノール)」という成分が作用しているから。
しかし何も加工されていない生の大麻には、THCが含まれていません。
THCは、「THCA(テトラカンナビノリックアシッド)」という成分が、「脱炭酸」という処置をほどこして初めて発生するものです。
よって大麻をそのまま食べても、ハイにはなりません。
もし「ハイになりたい!」と思っているのであれば、そのまま食べてはいけません。
食べてもTHCは効かない
また、人間の体はそもそも、「THC単体を吸収できない」という特性を持っています。
大麻を食べた場合、THCは消化器官へと向かいます。
しかしTHCでの作用を得るためには、「血流」へ入らなければいけません。
要するに「行くべきところへ行かず、溶けてなくなってしまう」というわけです。
大麻を「吸った」とき、ハイになれるのは、「THCが血流へ届くから」。
タバコの煙と同じ要領で、THCは消化器官へ到達せず、血流へと向かいます。
ただしTHCは、オイルやアルコールなどと混ざると、人体へ精神作用をもたらすという性質も持っています。
これは後ほど解説する「食用大麻」について深く関わっています。
美味しいのか?
結論から言えば、生そのままの大麻は決して美味しいものではありません。
大麻独特の青臭さと、不愉快な粘り気があり、美味しく食べるのは難しいでしょう。
ただし「大麻を美味しく調理する」ということは可能です。
アメリカでは「大麻料理を出すレストラン」というのも存在しています。
とはいえ、「大麻料理」というのは、今のところはまだマイナーな存在です。
関連記事:衝撃のキーワード、「大麻料理」とはいったい何なのか?
食べる大麻の歴史
実は「大麻を食べる」という行為自体は、古くから存在していました。
中国やインドといった地域では、紀元前から大麻を食べていたとのことです。
その後ヨーロッパでも、主に医学的な目的で利用されるようになりました。
そしておどろくことに、日本でも「食べる大麻」は使われていました。
戦前において、主には治療薬として用いられていたようです。
ただしGHQ指導下の元で姿を消し、今日へ至ります。
そして現在は、一部の大麻愛好家が、大麻を食べるようになっています。
また、後述するような「エディブル」や「チンキ」といったものも、「大麻の楽しみ方」として定着しています。
なぜ大麻を食べる文化が存在するのか? メリットは?
となると、「なぜ大麻を食べる必要があるのか?」という疑問が出てきます。
大麻と言えば、やはり「ハイになれる」というのが、最大の存在意義です。
それでも大麻を食べる人はいるわけです。
2020年9月に逮捕された俳優の伊瀬谷友介も、大麻と近い「ヘンプ」料理に関するイベントを開催していました。
というように「大麻を食べる」ということは、それなりに興味を持たれているのです。
生で食べると、THCAが摂れる
最大のメリットとして、THCではなくTHCAを摂れるというものがあります。
THCAは、「人をハイにさせるもの」ではありません。
しかし、「健康上さまざまなメリットがあるのではないか?」 と見られています。
THCAは、
- がんを予防できる可能性がある
- 炎症を治療できる可能性がある
- 有害な化合物を中和できるかもしれない
- 痛みをおさえられる薬になる可能性がある
- 嘔吐をおさえられる可能性がある
というように言われています。
まだ研究途上ではありますが、もしこれらが真実なのであれば、生の大麻を食べることには、相当なメリットがあると言えるでしょう。
ちなみに上記の研究資料としては、以下のようなものが存在します。
というようなことから、THCAを求めて、「生で大麻を食べる」という文化が成立しているというわけです。
ちなみにTHCAは、虫除けの効果があるとも言われています。
その他、さまざまな成分を摂取できる
生の大麻を食べることで摂取できる成分は、THCに限りません。
以下のような成分も、効率的に摂取できます。
いずれも人体に対して、極めて好ましい効果をもたらすと考えられているものばかりです。
- ミネラル
- テルペン
- オメガ脂肪酸(3,6)
- ビタミン
- タンパク質
- アミノ酸etc…
中にはテルペンのように、普通の食材では基本的には得られない成分もあります。
こういった成分を摂取するというのは、通常、たいへん難しいことです。
しかし生の大麻を食べることで、容易に摂取できます。
この辺りの背景も、「大麻を食べる」という文化が根付いている理由と言えるでしょう。
カンナビノイドシステムへの貢献
また、カンナビノイドシステムに貢献するという見方も存在します。
関連記事:CBDの効果時間はどれくらい? メカニズムはどうなっている?
カンナビノイドシステムとは、人間の体に備わっている、「生命活動を維持するための循環機能」のようなもの。
システムが回ることで、初めて人間は、元気に過ごせるというメカニズムになっています。
しかしシステムがうまく回っていないと、さまざまな形で不調が生まれ、普段通りに過ごせなくなるわけです。
名前からして明らかですが、カンナビノイドシステムは、カンナビノイドによって正しく回るようになっています。
生の大麻にも、当然ながらカンナビノイドは含まれています。
したがって生の大麻を食べると、カンナビノイドシステムは好循環すると見られているわけです。
食べる大麻のバリエーション
というように、生そのままの大麻を食べることには、さまざまな意味合いがあります。
とはいえ、「生の大麻を食べる」というのは、今のところさほど一般的ではありませんん。
特に「ハイになれない」というのが致命的。
健康上のメリットがあるとはいえ、「今ここで健康になりたいわけではない」という人も多いでしょう。
しかし下記のものは、「食べることでハイになれる」という性質を持っているものです。
ときには「吸う」のではなく、「食べる」ことで、大麻を楽しむのもよいでしょう。
エディブル
大麻文化におけるエディブルとは、「食用大麻」というような意味です。
言語的には「食べられるものなら全部エディブル」と定義されるされます。
しかし基本的には、クッキーやチョコレートといった「大麻成分入りのお菓子」を指しています。
エディブルを食べることで起こる現象は、「吸う大麻」と比較すればかなり異質です。
また、「精神的な効果が持続する時間が長い」という特徴も。
なんと、摂取してから最大で8時間程度持続します。
時には翌朝になっても効果が抜けきらず、「二日酔い」として残存するケースも。
長い間、あの素晴らしい体感を楽しめるのは、実に素晴らしいことです。
ただし懸念されるのは、「長時間のバッドトリップ」。
もしエディブルを食べてバッドに入った場合、それは最大で8時間続く可能性もあります。
よってエディブルを食べる場合は、バッドトリップで一日ムダにするかもしれないというリスクがあるわけです。
つまりエディブルは、「吸う大麻」よりもハイリスク・ハイリターン。
ハスラーとしての知識とノウハウが試されるでしょう。
チンキ
チンキとは、「大麻成分とアルコールをブレンドしたもの」です。
先ほども触れたとおり、「THCは、アルコールと一緒になると、人体へ精神作用をもたらす」という成分。
その特性を利用したものが、チンキというわけです。
チンキは自宅でカクテルを作るのと同じくらい、簡単に作られます。
よってチンキは、大麻合法国のあちこちで愛飲されています。
食べる大麻は、どこで手に入れる?
食べる大麻を手に入れる際に気をつけたいのは、絶対に「安全なディスペンサリー」経由出なければいけないということ。
ディスペンサリーとは、一言で言えば「大麻や関連製品を販売している業者のこと」。
そしてディスペンサリーごとに、ある程度「安全性」の違いがあります。
適切な安全管理をしていない危険なディスペンサリーのものは、購入すべきではありません。
確実に安全だという評価があるディスペンサリー経由で入手しましょう。
これは「ハイになる」ことよりも、何倍も重要なファクターです。
ジュースや、お酒飲み物も豊富
食べるのではなく飲んでいるのですが、大麻成分入りの飲料も存在します。
まだ一般的ではありませんが、現在の大麻に対する情勢変化を鑑みれば、これからも拡散する可能性はあります。
まとめ
大麻というものは、何も「吸う」だけがすべてではありません。
ハードの大麻愛好家は、「大麻を食べる」ことにも意味を見出しています。
そして上記してきたとおり、「食べることでしかあり得ない」メリットも。
さらに「大麻成分入りの食品」というのも、多々存在します。
生の大麻を食べるのは、ややハードルが高いことです。
しかしすでに加工されている食品を入手して食べるのは、ある程度現実的でしょう。
繰り返すようですが、日本において大麻は、大麻取締法で厳しく取り締まられています。
大麻そのものの所持はもちろん、エディブルやオイルも例外ではありません。
決して日本国内で、大麻取締法に抵触するような行為には走らないでください。