大麻は吸うだけなら、違法にはならない!? 複雑な大麻取締法を解説

2020年7月5日、著名なHIP HOPアーティスト「漢a.k.a GAMI」が、大麻取締法違反で逮捕されました。

彼にとって2度目の逮捕であり、起訴されれば重罰が下るということは、間違いないでしょう。

 

というようなニュースを見聞きするうえで、

「大麻取締法ってどんな法律?」

「何をしたら逮捕されるの?」

 

といった疑問を抱えている人は多いでしょう。

大麻取締法はやや複雑な法律であり、混乱するのも無理はありません。

 

本記事では大麻取締法で違法になるケースや量刑、逮捕後の流れなどについて解説します。

【記事参考:大麻取締法e-gov

目次

大麻で違法になるケース、ならないケース

手錠

まずは大麻に関連づいて、違法となるケースとそうでないケースを解説します。

これを理解しておくことは、自分自身が大麻取締法に違反しないという意味で重要です。

所持した場合

まず、大麻を所持している場合は、大麻取締法違反で「違法」となります。

多くの場合、所持容疑というかたちで現行犯逮捕されます。

 

注意したいのは、所持の定義がやや幅広く取られているということ。

「手に持っていた」「カバンの中に入れていた」、ということだけが、所持として見做されるわけではありません。

 

  • 自宅に置いていた

  • 車の中に隠していた

  • 事務所におきっぱなしだった

 

というのも、所持として解釈されます。

もう少し噛み砕いて言えば、「自己の管理下にあれば、何があろうとも所持とみなされる」というような形です。

つまり大麻取締法は、「大麻と一切関わるな」という性格を持っている法律であると言えます。

輸出入があった場合

大麻を輸出入した場合も、違法です。

そもそも所持がなければ輸出入はありえないので、これは当然です。

また輸出入は後述する「営利目的」であるため、厳罰になると考えるのが自然でしょう。

大麻を使用した場合

大麻を使用した場合、違法にはなりません。

とはいえ、「所持しないと使用できないのでは?」という疑問を持つ人もいるでしょう。

これについては、後ほど詳しく解説します。

大麻を売買した場合

大麻を売買した場合も、違法となります。

売る側も、買う側も両方です。

売る側は「営利目的」に該当するため、買う側よりも厳しく処罰される傾向が強くなっています。

なぜ大麻を「使用」しても、違法にはならないのか?

大麻の苗

大麻の使用が違法にならないのは、大麻取締法に、「大麻の使用を違法とする条文が存在しないから」です。

極端な話、今日、クラブで誰かから大麻をもらって吸ったとしても、違法にはなりません。

なぜ大麻取締法が「使用」を違法としないかというと、「使用の規制ができないから」です。

 

大麻取締法は、厳密には「大麻の種子など」を、処罰対象から除外しています。

違法なのは大麻の「葉っぱ」だけです。

 

大麻の種子などには精神作用を引き起こす「THC」がほとんど含まれておらず、規制する必要はない、という判断です。

とはいえ種子などにも、わずかながら「THC」は含まれています。

つまり種子を摂取した人にも、尿検査を実施して「陽性」となるケースがあります。

 

しかし尿検査で判定できるのは、あくまでも「陽性か陰性か」、というところまで。

使用したのが「葉っぱなのか種子なのか、はたまた根っこなのか」というところまでは分かりません。

 

つまり「尿検査しても、大麻取締法で禁止で禁止されている葉っぱを使用したとは断定できない」というわけです。

もしかしたら種子を食べただけなのかもしれません。

食用の大麻種子はいくらでも入手できるので、可能性としては完全に除外できません。

こういった背景もあり、大麻取締法は、「使用の規制を諦めている」ということです。

大麻を所持しても違法にならないケースがある?

マリファナ

よく「大麻を所持しても違法にならないこともあるのでは?」という疑問が挙げられます。

結論から言えば、大麻を所持しても違法とみなされないケースはあります。

具体的には、以下のようなケースが挙げられます。

 

  • 誰かの預かり物の中に、大麻が入っていて、預かっていた時間も短い

  • 誰かから、少しだけ大麻を吸わせてもらった

  • そもそも所持していたという裏付けが取れず、所持していたと断定できない(推定無罪)

 

これらのケースでは、所持しているとはみなされません。

意外と「所持していた」という判断基準は、甘くなっているのです。

 

ちなみに「所持」は、現行犯でなければ逮捕されません。

万引きと同じで、現場をおさえていなければ立件できないのです。

量刑はどのような基準で決定されるのか?

槌

大麻取締法については、「量刑」にも興味が持たれるでしょう。

量刑は、以下4点を総合的に考慮して決定されます。

営利目的があったか?

最大の争点は、「大麻を営利目的で所持・栽培していたか?」という点です。

営利目的であれば量刑は重くなり、そうでなければ軽くなります。

 

要するに「大麻を売って利益を出そう」としていたなら重罪です。

「自分が楽しむために大麻を育てていた」、というケースなら、軽い罰で済みます。

 

初犯で営利目的でないなら、高い確率で執行猶予がつくでしょう。

初犯かどうか?

その他の犯罪と同じく、「大麻取締法違反が初犯か」というのも、大きなポイントです。

初犯であれば、たいていは執行猶予がつきます。

 

しかし、

  • 初犯ではない

  • 初犯だが、悪質である

  • 大麻取締法に違反したのは初めてだが、類似する前科(主に麻薬関連)がある

 

というケースでは、重罪となる可能性が高くなります。

冒頭で「漢a.k.a GAMIには重罰が下される」と述べましたが、その根拠はここにあります。

 

彼の場合、初犯ではない上に覚せい剤の使用歴もあります。

おそらく執行猶予なしの実刑判決が下るでしょう。

どれくらいの規模感であるか?

また、大麻の所持・栽培・売買における規模感も、重要なファクターです。

規模が大きければ大きいほど重罪になります。

 

たとえば1gの大麻を所持していたとなれば、重罪にはなりづらいでしょう。

しかし100gの大麻を所持しているとか、何百株もの大麻を栽培しているとなれば、重罪へと傾くでしょう。

また株数が多ければ多いほど、営利目的の疑いも強まります。

栽培・輸出入・売買いずれに該当するか?

基本的な規制対象である「栽培・輸出入・売買」のうち、いくつ該当するかというのも、量刑に強く影響します。

ひとつでも該当するのであれば、実刑の可能性が出てくるでしょう。

ふたつ以上該当するのであれば、それなりの確率で実刑を受けると予測できます。

逮捕されてしまった場合の流れ

逮捕 移送

大麻取締法違反については、

 

  • 現行犯逮捕

  • 起訴もしくは不起訴

  • 刑事裁判

  • 刑の執行及び執行猶予処分

 

という流れで手続きが進みます。

それぞれ詳しく解説します。

(参考:刑事事件弁護士ナビ

現行犯逮捕

先ほども触れたとおり、大麻取締法違反は現行犯でしか逮捕できません。

したがって所持・栽培・売買している現場にて、逮捕がおこなわれます。

 

よくあるのが、警察が自宅へ踏み込んでくるというパターン。

そこで大麻が発見されれば「所持」が確定し、逮捕されるというわけです。

 

ちなみに自宅へ踏み込んで、「大麻が見つからなかった」というケースはほとんどありません。

なぜなら警察は、踏み込む前に「確実に大麻を所持している」という裏付けを取っているからです。

 

また、「踏み込まれる直前に逃げる」「大麻所持の証拠を隠滅するスキが発生する」ということも、警察は未然に防いでいます。

一度ターゲットされたら、まずをもって逃げきることは不可能です。

起訴もしくは不起訴

現行犯逮捕したのち、検察が「起訴するか不起訴にするか」を決定します。

ただし基本的には不起訴とはなりません。

大麻取締法で逮捕された場合、「違法行為があった」ということは明らかです。

 

ちなみに検察は、基本的に「何がなんでも起訴する」という考えで動いています。

レアなケース(例:証拠不十分)ではない限り、検察が不起訴にすることはありません。

要するに逮捕されたなら、ほぼ間違いなく刑事裁判まで発展するということです。

刑事裁判

起訴された場合、刑事裁判へ出廷することとなります。

検察が起訴したということは、「ほぼ間違いなく有罪となる」と考えなければいけません。

検察は無罪の可能性がある場合、たいていは起訴しないからです。

 

一度起訴されてしまうと、ほとんど無罪になることがないというのは、データとして現れています。

刑事裁判を経て無罪判決が出る確率は、およそ0.1%です。

要するに有罪を無罪にすることは、現実的ではありません。

したがって刑事裁判では、「無罪」よりも「執行猶予」を目指します。

 

ちなみに大麻取締法には、「罰金刑」が存在しません。

つまり執行猶予がつかない限り、懲役刑を下される、ということです。

執行猶予判決になるか否か、たいへん重要なポイントとなります。

 

当然ですが、被害者がいない以上は、示談という道もありません。

大麻取締法違反で刑事裁判を受けるというのは、非常に厳しいことなのです。

刑の執行・及び執行猶予

その後判決に従い、刑の執行および執行猶予処分が下されます。

 

実刑判決だった場合、その瞬間から「受刑者」になります。

受刑者は判決後、まずは拘置所へ移動。

収監先となる刑務所が決定したら、刑務所へ移送されます。

 

執行猶予判決だった場合、すぐに拘束は解除されます。

多少は手続きがありますが、家へ帰ることも可能です。

ただし執行猶予期間中は、検察からマークされる場合もあります。

 

ちなみに執行猶予中に再び大麻取締法違反を犯した場合は、たいていは実刑となります。

まとめ

LAW

日本においては、「大麻取締法」のもと、大麻は厳格に規制されています。

しかし「所持」を規制できていても、「使用」は規制できていないなど、意外にも法律として「もろい」部分もあります。

奨励するわけではありませんが、ときどき誰かから大麻をもらって吸う程度なら、逮捕に至る可能性は相当低いでしょう。

 

ただし万が一逮捕されてしまった場合、実刑判決のリスクに晒されるということは理解しておかなければいけません。

何せ罰金刑がないので、有罪になれば執行猶予判決でない限り、実刑を受けます。

悪質だと判断されれば、初犯でも懲役刑になる可能性は否定できません。

 

ぜひ大麻に関する知識をおさえ、自身が違法な行為へ走らないようにしましょう。

 

 

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