- HIPHOPは不良の文化なのか?
- なんだか怖くてクラブに行けない…
- バトルに出るのが怖い…
このように思っている人は多いのではないでしょうか?
たしかにHIPHOPといえば、不良の人の文化だと感じる部分もあるでしょう。
漢さんやベルなどを見ていたら、そう思うのも無理もありません。
しかし最近は、HIPHOPも不良だけの文化とは言えなくなりつつあります。
正直、誰でもクラブに行っていいし、バトルに出てもよい時代です。
今のHIPHOPがどういう状態なのか、本記事で解説します。
そして勇気を踏み出して、HIPHOPの世界に飛び込んでいきましょう。
もはやHIPHOP=不良じゃない
HIPHOP界隈に不良の人が多いのは事実です。
しかし現代では、HIPHOPだからといって不良だとは限りません。
実は筆者も関西でラッパーとして活動しているのですが、周囲には、普通の高校生や大学生も大勢います。
むしろ不良の人のほうが少ないかもしれません。
クラブやバトルのようす
クラブやバトルに行くのが怖い、と思っている人も多いでしょうが、怖がる必要はまったくありません。
不良らしい不良はめったにおらず、正直、学校のクラスや大学のサークルの雰囲気と何が違うのかわからないです。
たまにヤンチャそうな人もいますが、その人があなたに危害を加えることはあり得ません。
もしそんなことをすれば、一発で出禁になるからです。
バトルに関しても同様で、別に出たから、disったからといって何かされることはありません。
もし梵頭みたいな人に大声で怒鳴りつけて挑発していたら怒られるでしょうが、そもそもそんな人はめったにいないです。
そしてわざわざそんな相手にバチバチで行こうとも思わないでしょう。
ただバトルに関しては、観客に仲間がいないと勝ちにくい、という側面はあります。
いきなり出て、多くの仲間に囲まれている相手に勝つのはたいへん。
まずは仲良くしてくれるMCやラッパーを見つけるのがよいでしょう。
それからバトルに出ると勝ちやすくなるし、その面白さもわかるはずです。
HIPHOP=不良をぶち壊したラッパーたち
とはいえ、HIPHOPはかつて不良たちの文化でした。
一昔前までは、BADHOPのような人たちばかりがラップをやっている環境でした。
もしかしたらBADHOPよりも、もっとわかりやすく不良だったかもしれません。
彼らはスタイリッシュですが、当時はそうでもなく、本当にただただ悪い人たちが集まっていたのように思えます。
たとえばANARCHYやCIMA、漢さんやD.Oみたいな人ばかりだったといえばわかりやすいでしょうか?
これだと、不良以外の人にはハードルが高いですね。
しかし、以下のような人たちのおかげで、HIPHOPの世界は不良の人以外にもグッと広げられました。
RHYMESTER
まずRHYMESTERが、「HIPHOP=不良」という固定観念をぶち壊しにしてくれました。
彼らは早稲田大学出身者のインテリで、どう考えても不良というタイプの人たちではありません。
MCの宇多丸に関してはどちらかというと「おとなしいタイプ」であり、間違っても悪いことするタイプではないです。
そしてその楽曲も、ワル自慢ではなく、アート性を重視しており、不良っぽい感じには聞こえません。
後述するR-指定は、「自分みたいに普通の人でも、ラップをやっているんだ!」ということに気付かされて、バトルに参加するようになっています。
R-指定(Creepy Nuts)
またR-指定、もしくはCreepy Nutsも、HIPHOPを不良以外にも解放した立役者だと言えるでしょう。
R-指定は、本当に普通の気弱な青年で、不良とはかけ離れた存在です。
筆者は高校時代のR-指定を知っていますが、本当に「どこにでもいる高校生」でしかありませんでした。
R-指定はUMBを3連覇し、今だにMCバトルの伝説として君臨しています。
一般に不良と呼ばれる人たちを軒並みぶっ飛ばしており、「普通の人でもHIPHOPで輝ける」と証明して見せました。
そもそもバトルしろ楽曲にしろ、最初から「不良だけのものではないにもかかわらず、不良がやるもの」と誤解されていた部分があります。
MACCHOやT-Pablow、SIMON JAP、RIP SLYMEみたいワルい感じの人もいれば、KICK THE CAN CREWやPSGのように、不良ではない人も大勢いたし活躍していたわけです。
バトルも同様で、般若や漢さんみたいな人もいつつ、DOTAMAや晋平太、TK da 黒ぶちみたいな人たちもいました。最初から「HIPHOP=不良」ではないのです。
その誤解を解いたのが、R-指定のバトルであり、CreepyNutsの楽曲であったといえるでしょう。
「助演男優賞」を聞いて「不良じゃん!怖!」とは、誰も思わないでしょう。
意外と高学歴が多いHIP HOP
実はHIP HOPに関わる人のなかには、一般に高学歴だと呼ばれる人も大勢います。
- Zeebra▶︎慶應義塾大学
- UZI▶︎慶應義塾大学
- KREVA▶︎慶應義塾大学
- KEN THE 390▶︎早稲田大学
- DARTHREIDER▶︎東京大学(中退)
- ゆうま▶︎法政大学
- VERBAL▶︎ボストン大学
というように、HIP HOPの世界にはトップ私大を卒業したラッパーが大勢います。
DARHREIDERにいたっては、中退したものの東京大学に合格する学力を持っていました。
こうしてみると、やはりHIPHOP=不良というのは、単なる誤解にしかすぎないといえそうです。
HIP HOPは頭がよくないとできない
HIP HOPをやる人は「頭が悪い」と言われることがあります。
たしかに、たくさんラッパーがいるのだから、中には悪い奴もいるでしょう。
しかし基本的にHIP HOPという文化は、頭がよくないとできないものだとされています。
MCバトルに出るなら、即興で言い返す頭の回転や、観客を魅了する「見せ方」が求められます。
楽曲制作なら、ビートを作ったり、リリックを書いたり、共同制作者とコミュニケーションを取ったりしないといけません。
ただフリースタイルするだけでも、速攻で頭を回す力が入ります。
つまり、街で喧嘩したり、大麻を吸ったり、人の迷惑を考えずに暴走したり、ただ悪いことをしている人にはできないことなのです。
むしろ学力(特に国語)が高く、考えるのが得意な「頭の良い人」にこそ向いているのがHIPHOP。
だから「自分は不良じゃないから」と、諦める必要はありません。
今はワルではなく、スキルが高い人たちが輝ける時代です。
まとめ
かつてHIPHOPは不良の文化とされ、普通の人が入りづらい側面がありました。
本当は不良ではない人たちも大勢いたのですが、なぜか不良たちの活躍がピックアップされるもので、変に誤解されている側面があります。
冷静に考えれば早稲田大学出身のRHYMESTERや慶應義塾大学出身のKICK THE KAN CREWがトップを走っている時点で、「不良だけのもの」とは言えないですよね。
最近はその特徴が顕著に表れていて、眼鏡をかけたおとなしい青年や、シンプルにかわいいJKも参加しており、むしろ純粋な不良のほうが少ない状態です。
極端な例だと「MCマキダシ」という精神科医師のラッパーまで現れています。
つまりクラブに行きたい、バトルに出たいと思っている人が、ビビる必要はまったくありません。
もちろんちょっといかつい人に会うことはあるでしょうが、基本的にあなたと同じように普通の人ばかりです。
ぜひ勇気を持って、HIPHOPの世界に飛び込んでいきましょう。