「なぜ大麻が、日本では厳しく禁じられているのか?」という疑問は、頻繁に挙げられます。
たしかに大麻と麻薬は同一視され、とても危険なものとして喧伝されています。
大麻所持で逮捕されるという著名人も、後を絶ちません。
大麻が禁止されている理由は、「大麻が危険だから」という一言では説明できません。
「本当の理由」が、そこには隠されています。
本記事では、「大麻が禁止されていること」に隠されている真実について解説します。
大麻が禁止されている、本当の理由とは
大麻が禁止されている本当の理由は、さまざま考えられます。
以下のような説は、かなり信憑性が高いものであるとされています。
GHQの介入
ひとつの理由として、GHQによる介入が挙げられます。
1945年、日本は「ポツダム宣言」を受け入れて、第二次世界大戦に敗北しました。
直後、日本は、戦勝国アメリカが派遣してきたGHQの管理下に置かれます。
そしてGHQが、「日本では大麻を禁止するべき」という見解を示しました。
目的は、米国の、貿易による利益保護です。
当時の日本では、大麻は医療品や繊維素材として広く親しまれていました。
そして「石油」に成り代わる燃料としても期待されていたのです。
しかし大麻が日本にとって役立てば役立つほど、日本は輸入へ依存しなくなります。
つまり米国が貿易で損をする、というわけです。
よってGHQは、日本において大麻を禁止させたとされています。
石油産出国でない日本にとって、これは効果てきめんでした。
GHQの目論見どおり、日本はエネルギー資源を、米国から輸入するようになります。
利権の保護
もう少し踏み込んで考えれば、利権の保護という見方もできます。
一応、米国による貿易利益の保護も、「利権の保護」として捉えられるでしょう。
他にも、
- 他にも米国と仲の良かった石油産出国の石油利権
- 医薬品による利権
- 精神科や心療内科の診察機会による利権
を保護する、という狙いもあったのではと見られています。
石油産出国と米国は、当時それなりな政治的パイプを持っていました。
だから日本から大麻を取り上げ、石油産出国に恩を売ったというわけです。
医薬品と診察機会については、「医療大麻の普及を妨害したのでは」という見方があります。
いくら素晴らしい医薬品があっても、利権を害するのであれば、それは医学会から必要とはされません。
蛇足ですが、「利権で人が死んでいる」というのは、ありふれた話です。
国民生産性の保護
唯一、「大麻を禁ずることに正当性がある」と感じられるのが、「国民生産性の保護」という理由です。
大麻が解禁されれば、多くの人は大麻を吸うようになるでしょう。
しかし大麻の効能を考えれば、明らかに労働意欲は低減されます。
「ハイになっている」「前後不覚で不思議な感覚にふけっている」という人々の持つ生産性は、たかがしれています。
1960年ごろ、日本では「ヒッピーブーム」が巻き起こります。
彼らは働きもせず、大麻の吸引を含んだ自由な生活へと傾倒しました。
何が問題かというと、ヒッピーだらけの時代がきてしまえば、間違いなくGDPは落ちるということ。
つまり大麻がまん延すれば、国力は著しく衰退するというわけです。
そもそも日本は、国民全体があくせくして働いて税金を収めるというモデルで成立している国です。
大麻合法国のように、大麻税を得るという仕組みにはなっていません。
だから、国民には働いてもらって、「労働の喜び(と、呼ばれている、意味のない幻想)」を感じてもらわなければいけません。
つまり労働意欲が削がれる大麻は、規制されてしかるべき、という理屈です。
本当の理由を隠して、大麻を禁止するためのトリック
というように、大麻を禁止する本当の理由は、実に闇深いものです。
本当の理由を隠しつつ、なおかつ大麻も禁止するためには、さまざまなトリックが使われています。
基本戦術となっているのは、「大麻の危険性だけ」を喧伝というものです。
また、大麻を「麻薬や覚醒剤と同一のもの」として情報操作している側面もあります。
「ダメ、ゼッタイ」という標語は、まさに大麻禁止を正当化するために使われたキラー・フレーズです。
芸能人を逮捕するのも、大麻の禁止を正当化するのに一役買っています。
彼らが逮捕されて堕落していくことにより、大麻は危険だという刷り込みは強くなされるわけです。
最近では、大麻と馴染み深いHIP-HOP関係者の逮捕が相次いでいます。
(参考:Yahoo!ニュース)
彼らは「大麻=格好いいもの」ということを示すアイコンです。
彼らのことは、国としても放っておけないのかもしれません。
欧米諸国が「大麻禁止」から離脱する、本当の理由
日本は、はっきり言って「大麻の解禁」について完全な後進国です。
逆に言えばアメリカやオランダ、カナダなどを始めとした欧米諸国は、先進国と言えるでしょう。
欧米諸国は続々と大麻禁止から離脱し、解禁へと傾いています。
その理由は、「禁止しようとしても、できるものではなくなってしまったから」です。
欧米諸国では、大麻についてさほど厳しい規制を強いていないケースが散見されます。
大麻を規制せず、ある程度許容する「ハームリダクション」も、かなり強く推し進めてしまいました。
その結果、大麻を取り締まりきれないほどまん延したのです。
したがって大麻禁止を諦めてしまった、ということ。
そうせざるをえないほど、「大麻を求める民意が強い」ということの表れでもあります。
むしろ大麻のまん延を逆手にとって、「大麻に課税して税収を上げよう」という方向へシフトしました。
関連記事:大麻は有害なものなのか? ここで完璧に理解しておこう
本当に大麻は危険なのか?
表向きには、「大麻は危険だ」と言われています。
本当に危険なのか、一度冷静になって考えてみましょう。
無害ではないが、特別危険ではない
結論から言えば、大麻が無害ということはありません。
しかし、特別に危険だと断ずるのも、無理がある話です。
大麻を摂取することで、
- 副作用
- 呼吸器系の疾患
- バッドトリップ
- 「ハイになったがゆえ」のトラブル
などは起こりえます。
しかし、これらは決して大きなリスクとは言えません。
そして何よりも、「大麻だけに起こるリスク」ではないという点が肝要です。
副作用としては眠気やだるさ、倦怠感が挙げられます。
しかし同じような副作用をもたらす薬はいくらでもあります。
むしろ、もっと強烈な副作用を持つ薬も、珍しくありません。
筆者が使っている「メプチン」という喘息治療薬は、眠気やだるさ、倦怠感を引き起こします。
さらに手足の震えや脱力感などももたらします。
呼吸器系の疾患も、大麻が煙である以上起こりえることです。
疾患の遠因は、大麻にはありません。
煙を吸うという行為自体、そもそも人体の健康と相反します。
しかしタバコや排気ガスにも、呼吸器系の疾患を起こすリスクはあります。
吸入する頻度を考えれば、タバコや排気ガスのほうがリスキーとも言えるでしょう。
バッドトリップは、大麻にしかない症状です。
ただ、「バッドトリップしたからといって、何の問題があるというのか?」という疑問は残ります。
1時間か2時間じっといれば、カンナビノイドは代謝されて、バッドトリップから抜けられます。
ハイになって交通事故を起こすとか、対人トラブルに発展する可能性も考えられます。
しかし、それはアルコールにも共通して言える話です。
交通事故なら、頭痛薬などでも誘発されます。
というように、大麻は無害ではありません。
しかし大麻だけが、これほどに厳しく規制されなければいけないほど、特別危険だとは言えなないでしょう。
「大麻は危険だ!」と喧伝して規制することが、いかにおかしなことか理解できるはずです。
関連記事:大麻がもたらす作用とは? 副作用などはあるのか? 徹底解説します
医療品としての可能性
むしろ医薬品として、大麻はものすごい可能性を秘めています。
今まであった医薬品が不要になるほど、すばらしい医薬効果を見せるかもしれません。
がんや難病を治せる可能性も、じゅうぶんにあることがわかっています。
(参考:医療大麻を考える会)
暴力団の資金源になる?
暴力団の資金源になる、という懸念も聞かれます。
しかし、正直この心配はありません。
暴力団が大麻を売ったところで、大した資金源にはなりません。
もはや大麻取締法が強固すぎて、ビジネスとして展開できないのです。
そもそも現在の暴力団は薬物を扱わなくなり、もっとクリーンな市場に潜んでいます。
日本における大麻解禁の展望
日本においては、大麻の解禁が待ちわびられています。
結論から言うと、解禁される可能性はあります。
しかし、解禁されるまでには相当な時間がかかるでしょう。
現在日本では、大麻を解禁しようという動きはほとんど見られません。
大麻を解禁すべきであると強く主張する代議士も不在です。
以前、「大麻の解禁」を標榜して選挙に立候補した人間もいたが、圧倒的大差で落選しています。
しかし「医療大麻」については、ほんのわずかながら発展がありました。
現在の日本では、「医療目的で大麻を研究する」ということさえ規制されていました。
しかし医療目的での研究が、ごくごく限定されたケースにおいて認められたのです。
(参考:日本医療大麻協会)
医療大麻の研究がスタートしたというのは、大きな一歩。
大麻を合法としている各国も、最初は「医療大麻を受け入れる」というところからスタートしています。
日本もようやくその地点に立った、と言えるでしょう。
関連記事:医療大麻がもたらす効果と、 日本における合法化と普及について
まとめ
大麻が禁止されている本当の理由は、とても闇深いだと考えられています。
そしてその理由を「都合のよい理由」にすげ替える手段も、実に巧妙です。
大麻に限らず、政治は利権を守ります。
利権を守る上で、我々は「大麻文化」というかけがえのないものを、失っているのかもしれません。
しかし、ほんの少しずつ、大麻は解禁される方向へと進んでいます。
言葉を選ばないなら、「金のために世間をコントロールする連中」が淘汰されれば、日本における大麻のあり方も大きく変化するでしょう。