本記事では、特に韻を踏むのがうまいラッパーランキングTOP10を紹介しています。
ベテランからニュースターまで勢揃い。ぜひ本記事でかっこいいライムを堪能します。
韻を踏むのがうまいラッパーランキングTOP10
さっそくランキングを見ていきましょう。
今回のランキングは、以下を総合的に判断して決定しています。
- UMB、KOK、BATTLE SUMMITなど主要な大会での成績
- フリースタイルダンジョンでの戦績及び出場歴
- 戦極、凱旋、SPOTLIGHT、ADRENALINEなどの大会での成績
- インターネット上で行われている各メディアの投票結果
- 本人が出演したMCバトルのYouTube動画再生回数
https://taima-navi.com/artist/rapper-will/
1位:FORK/KOK2022優勝
円周率なら3.14、俺に殺されて完全に死亡
最も韻を踏むのがうまいラッパーは、やはりFORKでしょう。
UMB GRAND CHAMPION SHIP2006で優勝し、2018年ごろにフリースタイルダンジョンに隠しモンスターとして登場。
もはや究極の職人芸と化したライミングでシーンを席巻しました。
渋い声で落ち着いて「ビートに乗せる」韻の踏み方は、男の子なら誰でも憧れるスタイル。
戦績は極めて優秀で、ダンジョン2代目モンスターのころは「FORKが出てきたらほぼ詰み」と言わしめるほどの強さ。
3代目時代は6戦やって6勝0敗で、本当に「引いた時点で詰み」でした。
当時のダンジョンはモンスターにFORKと呂布カルマがいて、それをなんとかしても最後にR-指定が出てくるという絶望的難易度でした。
現場での活躍も凄まじく、真ADRENALINEやKOKで優勝。最近、まともに負けているシーンを見た記憶がありません。
2位:晋平太/UMB2010、2011優勝
右手とマイク同化してる
2位は晋平太です。
R-指定が出てくるまでは「最強」の名前を欲しいがままにしていました。
即興でとんでもない韻を作り出し、高いバイブスでまくし立てて相手を圧倒。
ハマったときの爆発力はすさまじく、誰にも手をつけられません。
あのR-指定ですら敵いませんでした。
ライミングとは関係ないところでは、呂布カルマがいうには「殴られるほど強くなる」とのこと。
要は主人公気質があり、たとえば会場が完全アウェーでもそれをひっくり返して優勝してしまうほどの力を持っているそうです。
3位:R-指定/UMB2012、2013、2014優勝
敵に塩、歴史に残るエキシビジョン
3位はあのロン毛です。
正直1位でも2位でもよいのですが、最近はライムの量を絞り、フロウ・アンサー・バイブス・ステージングそのすべてを活かすようなスタイルになったことを踏まえて3位におきました(FSLしか出てないですが)。
FSLでは上記した「敵に塩」に始まり「オリコンチャート1位はあいさつ代わりだ、バトルじゃなくワンマンで埋める埼玉スーパーアリーナ」など、バケモンみたいなライムを披露したのは記憶に新しいでしょう。
R-指定のライマーとしての絶頂期はおそらくUMB2010〜2012あたり。
- こんな雑魚かならず沈む 口うるせぇ Like a やくみつる
- あのカルマの清算はどうする? 毒盛る青酸化合物
- ジントニックとウォッカ?お前が優勝順当に行くと思うな
こういったマニアックなライミングで、今のシーンの「韻のあり方」を築き上げました。筆者もラッパーですが、その視点から言うと、上手いとかそういう次元を超えてただただキモいです。
ちなみに戦績もキモいです。
- UMB GRAND CHAMPION SHIP3連覇
- UMB大阪予選5年連続優勝
- ENTER MC BATTLE3回優勝
- ADRENALINE MC BATTLE2回優勝
4位:チプルソ/戦極5章優勝
ただ暑苦しいとんかつ弁当
復活して欲しいものの、多分復活しないレジェンドラッパーチプルソ。
バトルに出ていたのは2010年から2012年ごろで、圧倒的な完成度のライムで大阪を蹂躙していました。
- お前のラップは本末転倒 ただ暑苦しいとんかつ弁当
- 俺のラップがネタみたい それは埼玉のヘタクソの妬みかい
- 韻が全然ダメ 俺に勝とうなんて1000年早ぇ
こういったラインを覚えている人は多いでしょう。これでラップに目覚めた少年も多いはずです。
また当時は割と落ち着いてラップする人が多かったのですが、彼だけ「お前死ねや!殺すぞ!!!」と怒鳴り散らかしていて、とんでもない迫力でした。
もう彼が現役だった頃から12年ほど経ちますが、いまだに多くのヘッズの鼓膜に焼き付いている存在です。
ただ、個人的な印象として、R-指定や晋平太などのトップクラスとぶち当たると調子が悪くなるような感じはありました。
5位:SAM/戦極20章、25章優勝
勝者はSAM、こう書く
比較的若い年代からいえば、やはりSAMは外せません。
端正な顔立ちと落ち着いた声でライミングする、スマートなスタイルです。
SAMの韻は多種多様で、短いものを連打したり、即興で踏み返したり、強烈なネタを仕込んだりと万能です。
また「SAMとアウソ マクドナルド」「こだわらない 栃木の顔はDOTAMAじゃない」といった独自性が高いライムも魅力的。
観客を味方につけるような技術も成熟しており、「サーチライト ド派手なパーリナイ」「心開いてく黒船来航」といったラインで会場を沸かします。
最近はバイブスも宿るようになり「俺より価値あるJewelを知らない」など、痺れるような韻も繰り出すようになりました。
6位:韻マン/凱旋秋の陣優勝
韻に特化したホメオティック遺伝子
いわゆる「語感踏み」を編み出した天才です。
「とどめの一撃 ホメオティック遺伝子」「戦国無双2 決定力不足」など、「厳密にいうと踏んでいないかもしれないけれど、踏んでいると言えば踏んでいる」というスタイル。
カチカチに踏む必要がないため、韻の選択肢が広がり、何でもかんでも踏めるようになりました。
それを連打している間は誰もが彼に夢中になります。
語感踏みに関しては賛否両論ありますが、あまり硬さにこだわらない人にはたまらないはずです。
最近はアーティストとしての才能が開花。バトルと音源両方を高水準でこなすのはたいへんなのですが、彼はそれを実現できる数少ないラッパーの一人でもあります。
7位:GADORO/KOK2016、2017優勝
叩き上げが叩き込むよバックスクリーン
KOK2連覇を成し遂げた生粋のライマー。
何よりもネタを多用するのが特徴です。
というと非難されがちですが、そのネタのクオリティが飛び抜けて高く、「ネタだろうがなんだろうがなんでもいい」と思わせるほどの威力を持ち合わせています。
特にフリースタイルダンジョンやKOK本戦でのパンチラインを覚えている人は多いでしょう。
GADOROの基本形は「後半4小節を完璧に作ること」。例えばダンジョンでR-指定と戦ったときは以下のようなネタを仕込んでいます。
- ロン毛+髭面がトレードマークの
- こいつ倒し奇跡を起こすフォレスト・ガンプ
- 去勢を張るだけの往年のチャンプも
- 俺を目の当たりにすれば奴隷と化す
一方で即興性も持ち合わせており、たとえばKOK2016のACE戦では速めのビートでもトップオブザヘッドで会場を沸かしていました。
8位:烈固/高校生ラップ選手権第9回優勝・KOK2022優勝
俺がラップすればドカンと湧き上がる
韻といえばやはり烈固は外せないでしょう。
韻の硬さでいえば全ラッパー中トップクラス。ハードなスタイルで対戦相手すらうなずかせます。
「もう少し緩めたほうがたくさん踏めるのでは…」とも言いたくなるのですが、そこを曲げないのが烈固の強さです。
即興性が高いのも魅力のひとつ。
SPOTLIGHTでミステリオと当たったときは、「股間と脇腹」に対して「ドカンと湧き上がる」と踏み返し、会場のボルテージを最高潮にしました。
韻から話は逸れますが、人間性が評価されているのもポイント。呂布カルマは「かわいくてしょうがない」と言い、漢 a.k.a GAMIは「人間性も(堅実といういい意味で)硬い」と評価。
アルバイト先だった寿司屋の店長は「目がいい。CDは数百回聞いた」と語り、周りの大人たちをメロメロにしています。
9位:バチスタ/凱旋夏の陣ベスト8
バースのレベルは小中学生
あまりフィーチャーされませんが、バチスタも相当なライミングスキルを持っているMCです。
SAMが率いるレーベルPer Lifeの一員であり、彼らと切磋琢磨しながら磨かれた技術は一級品。
バチスタの特徴はとにかく韻の連打力であり、ひとたびスイッチを入れると相手の息の根が止まるまで踏み続けます。
その強みがはっきり現れたのが以下の試合。
最後のバースは「出発点」から始まって「中学生」まで駆け抜けるまでの間は観客の視線を完全にロックしています。
また「その場、その人に適した韻を使うのがうまい」という特徴も、上の動画で表れています。
「MYのイタズラとは別次元 俺のディスはそれよりもエグいぜ」というラインですが、これは「ちゃんねるがーどまん」のドッキリを完全に踏襲したものです。
10位:GOLBY/戦極8章準優勝
俺はNatural Rhyme オーガニック
GOLBYは2010年初頭から活躍するMCです。
過去にはR-指定と8小節8本勝負をやり切ったハイスペックなライマー。
近年はSAMとの一戦で有名になりました。
ものすごくオーソドックスなタイプで、日々ストックした韻を小節にカチッとハメていきます。
どこが上がりどころか、何がすごいのかわかりやすく、まさにお手本のような存在。
GOLBYのことは、もう10年くらい見続けていますが、フロウやアンサーといった要素はありません。
韻だけでしぶとく生き残っている、硬派なMCです。
まとめ:君も韻を踏んでみよう
今回は韻を踏むのがうまいラッパーに関して解説しました。
韻を踏むと言うのは、ラッパーにとって基本中の基本。
そして聴く側としても魅力が分かりやすく、ライマーはMCの花形ともいえるでしょう。
ちなみに「韻を踏む」というのは、(プロでやれるレベルとは限りませんが)誰にだってできることです。
もしかしたらあなたも本記事で紹介したラッパーたちのように、ステージで輝けるかもしれません。
ぜひ韻を踏むことを練習してみてください。
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