「大麻は危ない!」というようなことは、誰しも聞いたことがあるでしょう。
そもそも小学道徳の授業で、大麻について触れられるはずです。
しかし一方で、
「本当に大麻は危ないものなのか?」
「危ない、というものにもウラがあるのでは?」
という疑問を持っている人も多いでしょう。
そもそも海外は当たり前に大麻が広まっているので、ある意味でこの状況には矛盾があります。
本記事では、「大麻は危ないか、危なくないか」という点について、詳しく解説します。
大麻は危ないか、危なくないか?
結論から言えば、大麻自体は、さほど危ないものではないと考えられます。
下記では、そう言える根拠を解説します。
科学的根拠の薄さ
まず、「大麻が規制されるほど危ないものである」ということを示す根拠が貧弱です。
たしかに大麻にも、副作用などのリスクは存在します。
特に後述するとおり、若年層が習慣的な形で大麻を摂取するのは、かなりリスキーです。
しかしそういったケースを除いて、「大麻は危ない」というデータや科学的根拠は、相当薄い状態。
一般に喧伝されるような、「依存症になる」「精神に異常をきたし、日常生活が困難になる」とったことは、ほとんど裏付けられていません。
逆に「大麻は全面規制しなければいけないほど、危険ではない」というエビデンスばかりが目立ちます。
多くの協会団体が安全性を証明しており、WHOまでもが類似の見解を示しています。
(参考:WHO、米国科学・工学・医学アカデミー)
リスクはゼロではない
ただし、リスクがまったくないというわけではありません。
アルコールやタバコほどではないにしろ、多少のリスクが存在します。
まず、若年層が大麻を恒常的に摂取することは、「危ない」と言わざるを得ません。
なぜなら、以下のような弊害が危惧されるからです。
脳機能の低下
まず、10代が大麻を吸っていると、脳機能が低下するリスクがあります。
具体的には、
-
判断能力
-
自制心
-
空間把握能力
-
論理的思考能力
といったものが、正しく発達しなくなるという指摘がなされています。
いずれも社会生活を継続するうえで重要な能力であり、発達しないことには重大な問題があると言えるでしょう。
精神疾患のリスク
また、若年層の大麻摂取は、うつ病や発症する可能性の上昇させる、ということもわかっています。
研究によれば、大麻を恒常的に吸っている若者がうつ病となるリスクは、そうでないケースの5倍まで跳ね上がる、とのこと。
統合失調症については、まだ不確定な部分もありますが、おおむねリスクは2倍になると見られています。
ゲートウェイドラッグとしての懸念
大麻が「ゲートウェイドラッグ」として機能することも、懸念材料です。
大麻と麻薬では、依存性と有害性の大きさには雲泥の差があります。
いずれの麻薬も人生を大きく狂わせる可能性があり、手を出すべきではありません。
しかし「大麻と麻薬の違い」を正しく理解できる若者は、そうそういないでしょう。
「大麻が大丈夫なら、麻薬も問題ない」と考え、麻薬へ手を染める可能性は非常に高いです。
法律的に危ない
というように大麻自体の危険性は、特殊なケースを除いて問題にはならないでしょう。
しかし当然のように、法律的なリスクも存在します。
知ってのとおり日本では、大麻は大麻取締法によって厳しく取り締まられています。
主に「所持・輸入・栽培・売買」を規制。
法律という論理の不完全性から、「使用」だけは取り締まられていないという状況です。
そして大麻取締法により、逮捕される人は決して少なくありません。
さらに裁判を受けて、実刑判決が下されるというケースも、ままあります。
要するに「大麻自体は危なくない」としても、「法律で人生が狂う可能性はあるので、危ない」とも表現できるわけです。
参考:大麻は吸うだけなら、違法にはならない!? 複雑な大麻取締法を解説
政府の見解について
大麻自体に危険性が低いとはいえ、「政府は危険だと言っている」という現実は、やはり無視できないでしょう。
しかし結論から言うと、政府の見解はやや正確性を欠いていると言えます。
政府は、Webサイトで大麻に対して、「たいへん危険である」という見解を示しています。
厚生労働省の発信内容を見てみましょう。
重要なのは、
- 大麻は脳に作用し、さまざまな不具合を引き起こす
- 記憶や学習能力が低下し、知覚を低下させる
- 社会生活に適応できなくなる
という点です。
まず「1」ですが、たしかに大麻は脳へ作用します。
しかしタバコやアルコールも、脳に作用を及ぼすので、何も大麻だけに挙げられるリスクではありません。
「2」については、「記憶(力)や学習能力の低下」が起こるとされているのは、上述のとおり若年層に限定した話です。
知覚の変化は起こりますが、それはあくまでも大麻成分が作用している時間だけです。
永続するものではありません。
「3」についてですが、「大麻を摂取すると人格が(永続的に)変容する」という指摘はみられません。
大麻精神病も、数日で寛解するということが、信頼できる根拠で示されています。
つまり大麻が原因で社会生活に適応できなくなる、という風には言えないでしょう。
というように政府の発信内容には、とかくエビデンスがなく、正確性あるいは信憑性に欠けると言えるでしょう。
蛇足かもしれませんが、このWebサイトはナンセンスな部分が多々あります。
イラストの質が悪く、デザインも幼稚です。
初歩的な日本語の誤用(「記憶が低下する」ではなく、「記憶力が低下する」が正しい)も認められ、全体的に不信感を持たざるをえません。
(引用:厚生労働省・「今、大麻が危ない!」)
危ないはずの大麻が、海外で解禁されている理由は?
日本で大麻が禁止されていることを批判する要因として、冒頭で述べたとおり「海外では大麻が解禁されている」というものがあります。
そしてこの批判は、まったく持って正しいものです。
あらゆる国おいて、多かれ少なかれ大麻は受け入れられています。
カナダでは完全な合法化、アメリカでもいくつかの州で合法になりました。
その他、
- 厳密には違法だが、法律が機能していない
- 違法だが、罰則はない
- 医療大麻だけは合法化されている
という国々も存在します。
日本に先んじて海外で大麻の解禁が進んでいる理由は、さまざまです。
具体的には、
- ハームリダクションを押し進めた結果、規制しきれなくなった
- もともと大麻文化が根付いており、抵抗を持っていない
- 大麻を取り扱うブラックマーケット縮小を狙った
- 大麻に税金をかける方向へシフトした
- 医療品としての有効性が研究され、必要と判断された
といった点が挙げられます。
現在も大麻は解禁される方向へ進んでおり、「規制が強化される」という風潮は、さほど感じられません。
今後も大麻は、より一般的なものになっていくでしょう。
ただし日本は、大麻文化が薄く、法規制も厳しい国。
日本で大麻が一般化するのは、相当先の話でしょう。
関連:医療大麻がもたらす効果と、 日本における合法化と普及について
大麻から得られるメリットは、何が挙げられる?
基本的には、大麻については「危ない」「不健康」といったことばかりが喧伝されています。
しかし大麻を吸うことには、以下のようなメリットが存在します。
生活に対する満足度が高まる
まず、生活に対する満足度が高められるというメリットは外せません。
大麻を吸うことで、心身には以下のような効能がもたらされます。
- 気分が高揚する
- 美的感覚が鋭くなる
- 食べ物が美味しく感じられるようになる
- 多幸感を感じられる
- 熟睡できる
- 集中力が高まる
- 特別な感覚を体験できる
- 何もかもが愛おしくなる
これらの効能は、明らかに生活を豊かにします。
たとえば大麻とともに音楽フェスへ出向けば、通常ではあり得ないほど感慨深い体験が得られるでしょう。
ただ友人と遊ぶだけでも、大麻があれば、とても素晴らしい時間になるはずです。
というようなことは、「生活に対する満足度が上がる」と表現できるでしょう。
CBD製品であれば、健康に貢献する
また、CBD製品の場合は、より安全に健康度を高められます。
CBDとは、大麻に含まれている成分の一種です。
これを抽出したものが、CBD製品というわけです。
CBD製品のあり方はさまざまで、
- オイル
- リキッド
- グミ
- クッキー
- サプリメント
- クリーム(食品ではなく、美容用品として)
- お香
といった形に加工され、流通しています。
CBDを摂取および塗布した場合、以下のような効果が得られます。
<摂取した場合>
- リラックスできる
- 集中力が向上する
- 食べ物が美味しく感じられるようになる
- 不安が解消される
- 不思議な感覚を体験できる
- 食欲増進
<塗布した場合>
- ニキビを治せる
- 角質の増殖をおさえられる
- シミやくすみを消せる
- 傷を直す
というようにCBDによって、さまざま効果が得られます。
ちなみに筆者も、「お香」を焚いたことがあります。
たしかに「落ち着く」「リラックス」するという効果は、しっかりと感じられました。
大麻を摂取したケースと比較すると、効果には違いがあります。
なぜならCBD製品には、大麻に含まれている有効成分「THC」が含まれていないからです。
ハイになる、マンチーへ突入するといった現象は、THCでしかもたらされません。
裏を返せばCBDにはそういった効果がないので、安心して使えるということでもあります。
ちなみにCBDは日本において合法であり、ECサイトなどで容易に入手できます。
現状の日本において、CBD製品はもっとも利用することが現実的です。
まとめ
「大麻は危ない!」というような刷り込みは、しょっちゅう見聞きするでしょう。
たしかにまったくの無害である、とは言えません。
しかし「廃人になる」とか、「社会生活が送れなくなる」といったレベルのものではないというのは、明かです(若年層が恒常的に摂取する場合を除く)。
むしろ大麻がどうこう以前に、「大麻を取り囲む環境が人をダメにする」といったところでしょう。
逮捕されたり、大麻から派生して麻薬に手を出したり、というようなところが、副次的な危険性として考えられます。