世の中にはとんでもない施設があるもので。「大麻博物館」というものがあります。
しかも海外ではなく、日本にです。
栃木県のとあるのどかな地域で、大麻博物館はひっそりとたたずんでいます。
大麻、と聞くと、「めちゃくちゃ怪しい場所なのでは?」と思ってしまいますよね。
マリファナがこっそり販売されていても、不思議には感じないかもしれません。
しかし日本にある大麻博物館は、決して怪しい場所ではなく、むしろとても学びの多い場所です。
本記事では、日本にあるふたつの大麻博物館について詳しく解説します。
栃木県那須郡。のどかな風景にたたずむ大麻博物館
那須街道を走っていると、突然「マリファナマーク」がついた建物が現れます。
それこそが、日本で唯一の大麻ミュージアムとも言える「大麻博物館」です。
マリファナマークまで出していると、「おい、そんなに堂々とやって大丈夫なのか!」と思ってしまうかもしれませんね。
大麻博物館は私立で、一般的な博物館ほど大きなものではありません。
しかし、大麻に関する正しい知識を教えてくれるという意味では、とても重要な博物館です。
館長である高安淳一郎氏によれば、「大麻は、祭り事や神道行事において、とても重要なものだった」とのことです。
また、衣服や靴(わらじ)、神社で飾られる注連縄(しめなわ)の原料にもなっていました。
そういった歴史があったにもかかわらず、「大麻は危険なものだ」と、現代では言われています。
このような誤解を解いて、「大麻とは、本当は日本人にとって欠かせないものである」と伝えたいことから、博物館を開いたようです。
大麻博物館では、よりディープな大麻の歴史や、意外な真実を学習できます。
また大麻製品の現物や書籍など、たいへん貴重な展示物が多数。
この点については、後ほど少し深掘りして解説します。
<大麻博物館の基本情報>
- 入場料:無料
- 住所:栃木県那須郡須町高久乙1-5
- 営業時間:平日:12時〜18時 土日祝日:10時〜19時
- 定休日:水木
- 駐車場:多少はあり
アクセス:東北自動車道・那須インターより5分
三重県伊勢市の大麻博物館について
「三重県伊勢市にも大麻博物館がある」という情報がありました。
しかし三重県伊勢市には大麻博物館、という施設はありません。
過去には、「大麻博物館 in 伊勢・麻福」というイベントが開催されたという経緯はありました。
ただし「博物館」という名前がイベントで使われているだけで、別に博物館が建っているわけではありません。
日本にある施設としての大麻博物館というのは、栃木県那須郡のものだけなので、注意してくださいね。
大麻博物館から学べること、魅力
大麻博物館は、とても有意義な時間をもたらしてくれる場所です。
下記では、大麻博物館がどんなことを教えてくれるのか解説します。
日本における大麻の歴史やあり方
先ほども触れていますが、博物館というだけあって、大麻の歴史を深く学べるスポットとして成立しています。
意外にも大麻が日本人から必要とされていたことを知る、よい機会となるでしょう。
大麻博物館で学べる歴史は、インターネットでは知り得ないほど濃厚なものです。
たとえば本メディアでも、
- 平安時代における大麻のあり方
- 江戸時代には”阿呆薬”などと呼ばれていたこと
- GHQが大麻取締法を日本側へ押し付けたこと
などを述べています。
しかし、それ以上に重要で興味深い歴史的背景を、大麻博物館で学ぶことが可能です。
関連記事:昔の日本では、大麻はどんな存在だった? 現代との違いは?
価値ある大麻製品がそろう
大麻博物館には、普段お目にかかれない大麻製品が、所狭しと並んでいます。
たとえば、
- 大麻草で作られた衣服、麻紙(ペーパー)、漁網、わらじ
- 栃木県における大麻栽培の様子を伝えるプレート
- 大麻に関する書籍
などを、実際に触ることが可能です。
中でも昭和12年に発行された、「大麻の研究」という書籍はとても興味深いものです。
先ほども触れたとおり、戦前の日本では、大麻は当たり前のように流通していました。
しかし、現代ではそんなことも忘れかけられており、大麻は日陰へと追いやられています。
一方でこの書籍は、昭和12年前後、大麻が日本にとってどれだけ重要だったかを示す、とても貴重な証跡です。
というように、他ではありえない貴重な製品や多数揃っています。
衝撃の真実が発覚する
そして、びっくりするようなこと衝撃的な事実についても、触れることが可能です。
たとえば、大麻博物館の展示資料を参照すると、
- 大相撲の横綱(白鵬)がつけている”まわし”は、ある大麻草で作られている
- 栃木県の小学校では、校章に大麻の葉っぱをあしらっている
- 昔は、赤ちゃんに大麻草でできた服を着せるのが当たり前だった
というようなことがインフォメーションされています。
小学校の校章デザインにガンジャを使っているなんて、普通に考えれば狂っていますよね。
ただ、地元では大麻はとても神聖かつ大切な植物です。
そういった意味合いで、校章デザインにも使われている、という話ですね。
上記以外にも、「マジで!?」と思わされることが目白押し。
ここではすべてを語り切れないので、ぜひ一度現地へ訪問してもらいたいものです。
入館料なしでこれだけ有意義なことを学べるのも、なかなか珍しい話でしょう。
行く価値はある?
よっぽど大麻について、歴史的背景を知りたいという人なら、ぜひ行った方がよいでしょう。
本当に大麻のことが好きでしょうがないという人にも、おすすめできます。
また、「少しヘンなところへ行きたい」という場合にも、なかなか面白いスポットだと言えるでしょう。
ただ、「大麻を吸うことが好きな、若い層」にとっては、少なくともものすごく面白いスポットではありません。
ちょっとした話のタネにはなるでしょうが、アガりに行く場所ではないので注意しましょう。
大麻博物館のことを踏まえて、若い人たちに伝えたいこと
博物館には興味がない若い層に対して、「博物館へ行け」とまでは言いません。
ただ、大麻博物館から学べることは、「マリファナ吸いてー」と思っている若い層にとって朗報でもあります。
なぜなら、「大麻が危険なものではない」ということが、大麻博物館で証明されているから。
中には、「大麻を吸ってみたいけど、怖い」「早く大麻を解禁しろ」と思っている人も多いでしょう。
筆者もそのうちの一人です。
しかし、大麻博物館で語られていることを知れば知るほど、「大麻は怖いものではない」ということがわかります。
もし大麻が危険なものであれば、そういった歴史も、大麻博物館で語られていなければいけません。
別に、「大麻を乱用しろ」「法律を犯せ」と言っているわけではありません。
しかし「大麻は危険だ、人生を狂わす」というようなことを、大麻博物館では述べられていないのです。
昔から、大麻は薬や嗜好品として愛されてきました。
今でも大麻は、医療薬や嗜好品として、世界中で楽しまれています。
むしろ、著しく厳しく規制している日本の方が、不自然なのです。
日本で大麻を楽しめないなら、CBDを
とはいえ、知ってのとおり日本では大麻が禁止されています。
世界的に見てもたいへん厳しい罰則が設けられており、先進国では大麻への理解がたいへん遅れているのです。
しかし日本では、CBDを楽しめるようになっています。
CBDとは、大麻草に含まれていながら、日本では合法だとされている成分です。
CBDが使われたアイテムは、かつて「大麻の劣化版」でしかありませんでした。
しかしCBD産業の成長により、「大麻とは別な意味で素晴らしい」とも言われています。
「むしろ大麻より、CBDアイテムのほうがよい」と述べる人も。
CBDアイテムでもっともポピュラーなのは、やはりカートリッジのCBDヴェポライザーでしょう。
吸ったら捨てるだけの、電子タバコのようなものですね。
「大麻は禁止、でも大麻の成分を体験したい」という人には、すごくおすすめできるものです。
CBDアイテムについて、もっと詳しい人は、下記の記事を参考にしてください。
<関連記事>
注目の大麻成分、「CBD」がもたらす驚くべき効果とは? 徹底的に解説します
”CBDヴェポライザー”って何? 使い方やおすすめ機種について解説!
【おみやげに最適!】大麻博物館で手に入るアイテム
大麻博物館では、さまざまなアイテムが販売されています。
さすがにマリファナや麻薬は売っていないので、注意してください。
別にアングラなスポットではありません。
大麻博物館でのおみやげとしては、以下のようなものがありました。
<大麻草の麻袋>
<ブレスレット>
麻で作られた袋などは、いかにも丈夫そうですね。
「I LOVE TAIMA」という、挑戦的なステッカーもありました。
これは普段使いでも、全然問題がなさそうですね。
他にも「ネックレス」など、さまざまなおみやげが売っています。
中には、「おみやげが欲しいから」という理由で、大麻博物館を訪れる人もいるほど人気があるようです。
(画像引用:大麻博物館)
まとめ
大麻博物館は、決して怪しい場所ではありません。
むしろ、とても勉強になるというか、「大麻に関する正しい知識」を教えてくれる場所です。
日本では大麻が「とんでもなく危ないもの」と扱われています。
たしかに危険性もなくはないですが、法律で厳しく禁止するほどではありません。
とはいえ、「危険なものである」という認知が当たり前になり、大麻は正当な評価を受けられなくなりました。
しかし、大麻博物館を訪れれば、そういった誤解も解かれるでしょう。
大麻というものが、日本人にとっていかに大切なものなのか、はっきりと理解できるはずです。